台東区田原町の活版印刷工房「First Universal Press」が1周年

代表の溪山丈介さん(右)と馬原雲母さん

代表の溪山丈介さん(右)と馬原雲母さん

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 東京メトロ銀座線、田原町駅近くの活版印刷工房「First Universal Press(ファーストユニバーサルプレス)」(台東区寿2、TEL 03-5830-3238)が、オープンから1周年を迎えた。

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 書籍専門の活版印刷所「内外文字印刷」の解散に伴い、溪山丈介さんが独立・開業した同社。活版印刷とは、鉛で作る活字を組み合わせて印刷するもので、日本では13世紀末に伝わったとされる。現代ではデジタル製版が可能になり、日本では絶滅に近い。「書籍の活版印刷を行っている企業は、都内に2社しかなく、この技術を絶やすわけにはいかない」と、活版での本文組み版を引き継いだ。

 同社で扱う和文フォントは「イワタ明朝」。「日本語は漢字を含めると膨大な数になってしまうため、活版印刷1社に対し、和文は1フォントしか扱えない」という。活字は印刷時に圧力がかかるため、大量に印刷をすると徐々につぶれてしまう。書籍用に組んだものは1回使ったら溶かし、再び新たな活字に作り変えられる。「1番使用頻度の高い活字は日本語では『の』、英文では『e』。全く使ったことがない活字もある」と溪山さん。

 不定期で活版印刷体験のワークショップも行っており、出張ワークショップにも対応する。簡単なものから、じっくり組むものまでフレキシブルに対応。名刺などの印刷もできる(版代=3,500円~、印刷代=3,000円~)。

 今後について、溪山さんは「活版は簡単なものであれば組めるが、きちんと組めるようになるには約2年かかる。いずれは人材と資材を供給できるようになりたい」と話す。

 営業時間は13時~21時(土曜・日曜・祝日は11時~20時)。月曜定休。

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