明治通りの白髭橋に近い「浅草ものづくり工房」(台東区橋場1、TEL 03-3876-3720)でブランド「retela(リテラ)」が活動を始めて1カ月がたった。
同ブランドはバックの作り手・大越敦子さんとテキスタイルアーティスト・田邊理華さんによるもので、田邊さんが使用済みのレジ袋から作り出す素材「レジブクロ」を、大越さんが服飾雑貨に加工したり、職人に依頼したりしてプロダクトを作る。コンセプトは「単なるエコではない、素材自体がアートなArt Upcycling(アートアップサイクル)なプロダクト」。アップサイクルとはリサイクルの進化版で、廃材などを新しい素材に変換して価値を高めるというもの。2人は2014年に異業種交流会で出会い、大越さんの猛烈なアプローチにより今年4月にブランドを立ち上げた。
これまで青山のギャラリーやモノマチなどで作品を展示し、すでにファッション業界から注目が集まる2人の商品。実際に手にした人からは「レジ袋とは思えない」「絵画みたい」と驚きの声も聞かれる。同施設インキュベーションマネジャーの城一生(たちいっせい)さんは「期待の新人」と太鼓判を押す。
ブランドの活動を通して田邊さんは「これまでテキスタイルデザイナーと職人のつながりがあまりなかった。これからは職人やクリエーターともっとコラボしていきたい。ほかのテキスタイルデザイナーと職人の架け橋になれたら」と話す。
「個人的に作った作品で、有名ドラッグストアのレジ袋を使ったものがあり、とても気に入っている」という田邊さんは、今後について「企業やブランド、店舗とタイアップしたい」と意気込む。大越さんは「海外でも展示をしたい。ミュージシャンのプロモーションビデオでも使ってもらえたら」と呼び掛ける。
主な製品はピアス(3,500円)、ネックレス(8,200円)、コインケース(6,000円)、財布(2万1,000円)、靴(2万7,000円)、バッグ(3万8,500円)など。