浅草寺に近い「雷5656(ゴロゴロ)茶屋」(台東区西浅草2)の前で、大道芸人の源吾郎(げんごろう)さんが自転車紙芝居を始めて5年になる。
もとは劇団員だった源五郎さんが大道芸を始めたのは1972(昭和47)年。18歳で山形から上京し、度胸試しと山形弁を直そうと考えたことがきっかけだったという。渋谷や新宿、池袋の歩行者天国で紙芝居を始め、「帰ってきた月光仮面、東京湾公害に挑む」などの作品を披露してきた。浅草では8年ほど前にメトロ通りで活動を始め、愛用する自転車で浅草中を巡っている。花やしき通り唯一の靴店の亡くなった店主から譲り受けたという自転車「黄金丸号」で、主に「雷5656茶屋」前で演じている。
「老若男女問わずに楽しめるのが紙芝居の良さ」と目を輝かせる源さん。古い作品を披露すると年配の客が若い人たちに自身の若いころの話をするなど、客同士でのコミュニケーションも広がるという。「お客さんの笑顔や『続けてほしい』という声に励まされる」と笑顔を見せる。定番の「黄金バット」は、貼り付けたマントを扇子(せんす)ではためかせて立体的に見せるオリジナルの「3D手法」で工夫を凝らす。他にも「浅草神社物語」や東北震災を主題にした「星めぐり物語」などの作品を用意している。
現在まで、海外18カ国でも公演の実績がある。初の海外公演はニューヨークで、モンゴルでは招待を受け毎年上演。「海外にも紙芝居を広めたい」と意気込む。
上演は土曜・日曜の13時~。