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浅草の緑茶専門店が128年 「夏には夏の入れ方」を勧める地域密着の老舗

「小松園」の佐竹徳治郎さん

「小松園」の佐竹徳治郎さん

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 浅草観音裏の千束商店街にある緑茶専門店「小松園」(台東区浅草5、TEL 03-3873-1908)が7月、創業から128年がたった。

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 1887(明治20)年に初代佐竹徳次郎が創業した同店は、当時近くにあった「小松橋」に店名に由来する。現在の店主で4代目徳治郎さんが継いだのは2000年。店には60年ほど前の抹茶をひく石臼や大正時代の写真も残っており、店の奥にある水場では金魚を飼っている。「継ぐ前から店を手伝っていた」という徳治郎さんは「地域密着で客との距離が近いのがいい」と目を細める。

 自身の元気の秘訣(ひけつ)は「緑茶を飲むこと」という徳治郎さん。「夏の緑茶の入れ方」として急須にティースプーン1杯の茶葉と氷を入れ、水を入れてから5分待つという「水出し」を勧める。緑茶はお湯の温度が高いほど苦味が出るが、うま味成分であるアミノ酸「テアニン」は低温でも抽出されるため、「うま味を残して苦味が少ない味になる」という。

 徳治郎さんの名前を取った煎茶「四代目徳治郎」は、静岡の緑茶「やぶきた」の新芽を5月上旬に摘み取って使ったもの。「香り高く粉が少ないのが特徴」で、浅草の名を取った抹茶「浅くさ」は、「色が深緑で、ほどよい苦みと奥深い香り」があるという。

 今後について、徳治郎さんは「お年寄りも安心でき、多くの客が喜ぶ店にしたい」と笑顔を見せる。

 主な商品は、極上荒茶、ゆたかみどり(以上1,080円)、玉露金鈴(3,240円)、抹茶入玄米茶(540円)、浅くさ(=抹茶、1,620円)など。営業時間は9時~19時30分。8日・18日・28日定休。

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