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浅草の革製品メーカーが「外反母趾用靴」 秋冬向けロングブーツの受注始まる

ヴァーブクリエーション代表中川さん

ヴァーブクリエーション代表中川さん

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 言問橋近くの革製品メーカー「ヴァーブクリエーション」(台東区浅草6、TEL 03-3872-5715)が8月20日、足に障害がある人のための「秋冬向けロングブーツ」の受注を始めた。

カスタムオーダーができる「秋冬向けレザーロングブーツ」

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 カスタムオーダーができる同商品は、自分の足の形に合わせ、サイズや色、筒幅だけでなく、「表革」「裏革」とも基本セット20種類から選べ、オプションで「エナメル」や「型押し」の革も注文できる。「足に障害がある人や、通常のおしゃれ靴としてもしっくりくるブーツが見つからないすべての人に向けた商品」という。

 同社のブランドとして2010年に始まった「Verb Fit(ヴァーブフィット)」は、外反母趾(ぼし)やO(オー)脚、リウマチなどによる足の痛みや、足にさまざまな障害がある人用の靴の修理、保険を適用できるオーダーメード靴の受注に対応する。機能性を重視するため、見た目の美しさやかわいらしさが見落とされがちだったこの分野で、同ブランドは「履いて出掛けるのが楽しくなるような靴」を提供したいとデザインにも力を注いだという。カラフルなパンプスやハイヒール、柔らかい革で作ったレザースニーカーなども取りそろえる。

 中川宏明社長は「もともとは、ビスポークと呼ばれる、客のバックグラウンドや生活様式まで考慮して服をつくるスタイルで服作りをやりたかった」と話す。「一人一人症状の違う足に合わせ完全なオーダーメードで靴を作る同ブランドは本当の意味でのビスポークだ」とも。

 学生の頃はUKロック好きなギター少年だったという中川さんは、イギリスに憧れ、テーラーメード服の作り方を学ぶため渡英したが、現地で靴作りの現場や職人と出会い、靴で生計を立てていくことを決意した。帰国してから浅草に拠点を移し、20代はひたすら靴を作ったという。25歳で起業し、30歳の誕生日を迎える前日に同社を立ち上げた。「いい靴づくりの前に、いい会社作り」をモットーに、働く人全員が「ワーク」と「ライフ」双方の充実を図れるような会社の仕組みづくりを行っているという。

 「今後は自社ブランドだけでなくODMやOEMでの生産、できる限り自然な素材を使い、昔ながらの製法を機械化して行うフレックスグッドイヤー製法の探求など、良いものはどんどん取り入れていきたい」と意欲を見せる。

 オーダー靴は3万240円~。 販売店舗と各営業時間はウェブサイトから確認できる。

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