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浅草の自家焙煎コーヒー店で秋冬向けコーヒー教室始まる

日本に数十台しか現存しないじか火式焙煎機

日本に数十台しか現存しないじか火式焙煎機

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 産業貿易センター台東館近くのツルヤコーヒー(台東区花川戸2、TEL 03-3843-8283)で11月1日から、秋冬向けのコーヒー教室が始まる。

ミル作業中の杉澤さん

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 夏の間、フレンチローストのアイスコーヒーをメーンにしていた講座内容を、秋冬に向けにオリジナルのブレンド豆を使ったホットコーヒーや、コクと深みを味わうストロングコーヒーの入れ方を教える内容に変更して行う。店主の杉澤正高さんは「コーヒーの入れ方を学んで、秋の夜長においしいコーヒーを味わっていただけたら」と土曜の午後、店の一画を開放する。

 同教室では、コーヒーや豆の歴史、名前の由来、産地別の特徴やブレンド、各コーヒーミルや焙煎(ばいせん)機の特徴などについて、この道40数年の店主から詳細な説明を聞くことができる。「おいしい入れ方」だけでなくひき方と蒸らし時間の関係性や、焙煎方法の違いによる適切な蒸し方など、基本的な理解が深まる講座だという。説明途中の質問はNG。職人気質の店主よりお叱りを受けることになる。「質問は最後のコーヒータイムにまとめてね」と杉澤さんは目を細める。

 豆は杉澤さんのオリジナルブレンドで、日本に数十台しか現存しないじか火式焙煎機で丁寧にローストした豆を使う。常連客からは「香りが全然違う」「後味がたまらない」などの声が上がり、店主のブレンドと独特のロースト具合で出すコーヒーアロマのファンも多いという。使い始めて40年を超える燻(いぶ)し銀の焙煎機はすでに生産が終了しており、修理できる人も限られるため、日頃から細かなメンテナンスを行っているという。同じ焙煎機を使っても、焼く人によって味が代わるという繊細なロースト作業を、使い慣れた道具と長年の勘で着実に焼き上げる。

 小学生のころから「『やるなら社長』と、大きな会社で人に使われるよりも、小さくても自分が采配を振れる会社か店をやりたい」と考えていた杉澤さん。大学卒業後、営業職に就き営業手腕を磨きながらも社会情勢や動向を考え、コーヒー豆の卸店をやりたいと焙煎技術を学び、1974(昭和49)年に同店を開業した。「卸中心でやってきたが、コーヒーのことをよく知らない一般の人にも本当においしいコーヒーを飲んでいただきたい」という気持ちで始めたコーヒー教室も今年で10年目となる。

 「おいしいコーヒーの入れ方を学びながら、人と人とのつながりの場を作っていけたら」と杉澤さんは笑顔を見せる。

 教室は土曜13時~。料金は初回1,500円、2回目以降は各コース500円~。2人以上で随時開催(時間は要相談)。

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