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浅草に蔵元直販日本酒専門店 料理店との接点が好機、浅草の地酒造り目指す

店長の稲村美和さん(右)と、木村裕子さん

店長の稲村美和さん(右)と、木村裕子さん

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 浅草寺近くの日本酒文化専門店「窖(あなぐら)」(台東区浅草2、TEL. 03-3845-2002)がオープンして2カ月がたった。運営は磯蔵酒造(茨城県笠間市)。

「ケーブ=洞窟」を連想する店内

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 大吟醸や純米酒から季節の酒など自社製造の日本酒をメインに、酒器や酒燗器のほか酒粕を使った菓子類を販売。店員と対面しながらカウンターで飲み比べもできる。

 2011年の東日本大震災で強い揺れを観測した茨城県は、酒蔵の被害が東北地方の各県よりも大きかったという。東北地方の酒を飲んで復興支援をしようとする風潮の中、浅草の料理店は「茨城の酒も飲もう」と同社商品の取り扱いを始めたことが開店のきっかけになったという。

 「酒は人ありき」を理念にする同社はこれまで、蔵人が伝統に従い地元の水と米を使って手造りし、そのほとんどを地元で販売していた。時代の流れによる顧客の変化で需要も頭打ちとなり、新しい販路を開拓していたところ「浅草と縁がつながった」という。社長の礒貴太さんは「わざわざ客を連れてきてくれる人もいて、接点が茨城にとても似ている」とほほ笑む。

 壁面と天井が富士山の溶岩で洞窟状になった店内は、元は芸能関係の著名人も通った飲食店だったという。磯さんは「ケーブセラーと呼ばれる貯蔵庫のイメージに合っている。物件も浅草の人の紹介で決まった」と話す。

 今後は「浅草の地酒を造りたい」という磯さん。「手応えはこれから。浅草から国内、世界へ日本酒文化を発信したい」と先を見据える。

 主なメニューは、3種飲み比べ、大吟醸「山田錦」(以上、各1,000円)、大吟醸「五百万石」、純米無濾過生原酒(以上、各800円)、純米「山田錦」(900円)など。

 営業時間は10時~18時(土曜・日曜は10時~19時)。

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