今秋に5回目の開催を予定する「浅草エーラウンド2015」に向け8月5日、実行委員会は奥浅草の革問屋街を巡るプレス向けのツアーを行った。
「通りを歩くと革の香りがする」と言われる、革製品の問屋や工場、メーカーなどが密集している奥浅草のレザーストリートで、大正時代から創業している「富田興業」や「松崎製甲店」、浅草で最も歴史が古い靴メーカー「ヴィ・ワン」など、70年以上の歴史を持つ資材問屋や製甲工場、古き良きものを最新のサステナブルなシステムに乗せて自社ブランドを立ち上げた「Verb Creation」など、浅草の革産業を支える4社を巡った。通常では見られない革製品加工や靴作りの舞台裏、世界で数台しかないミシンや、靴づくり専用の機械、希少な道具などを見ながら職人の話を聞いた。
皮革産業発祥の地であり、140年余りの歴史を持つものづくりの街「浅草」から、新しいムーブメントを広く発信する目的で2013年に始まった「A-ROUND(エーラウンド)」は年2回、春と秋に開かれ、回を重ねるごとに来場者数を伸ばしている。2015年春の開催では、出店が170社を超え2万人を動員した大きなイベントとなった。今秋から冠に「浅草」を加え「浅草エーラウンド」とし、革産業だけでなくより浅草地域全体を意識したイベントとして行う。
10月30日から開かれる同イベントでは、「つくることは、生きること」をテーマに、3日間限定で革に親しむための革の歴史博物館「TOKYO LEATHER MUSEUM」を開き、職人の実演、展示販売などを行う。昨年から始まった「TOKYO L(トーキョーエル)」では、浅草の地場産業とデザイン会社「アッシュコンセプト」の全面協力で商品開発した試作品を披露するほか、恒例となった「いろは会ミュージックフェスティバル」や、普段は入ることができないものづくり企業の工場やショールームを巡る「街歩き」、「靴作りワークショップ」などを予定する。8月20日には「雷門BEARS TABLE」でキックオフパーティーも開かれる。
実行委員長の富田常一さんは「観光だけではない、浅草の財産である革産業をより多くの人に知ってもらいたい。手に取って親しんでもらうことで革を広め、育てていけたら」と話す。
開催期間は10月30日~11月1日まで。開催時間は10時~17時。参加費は出店カテゴリーにより異なる。