東京メトロ銀座線田原町駅近くの「イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫」(台東区寿4、TEL 03-5830-3863)で11月6日~8日、「野谷久仁子 革手縫い教室展」が開かれる。
作品展は、生徒がこれまでに創意工夫を重ね作ってきたユニークな革小物や雑貨、かばん、おもちゃなどを展示し、一部「マルシェ」として販売。オーダーメードにも応じる。期間中は30分ほどで作れる革小物の手縫い体験ワークショップも随時開く。
主催のバッグデザイナーで手縫いかばん職人の野谷久仁子さんは、サロン・ド・シャポー学院卒業後、帽子デザイナー、クリエーターとして活動。その後、「手縫いかばんを作りたい」と父で吉田カバン創業者の吉田吉蔵さんから技法を学び、現在はかばんに限らず、革を使った小物や雑貨などアーティスティックな革製品も手掛けている。
野谷さんは2011年3月、「革手縫いの素晴らしさや楽しさを多くの人に伝えたい」と同教室を開いた。同年年明けから準備を進め、オープン直後に東日本大震災が起きた。「大丈夫だろうか」と懸念もあったが、「一人ずつでもいいからとにかく始めよう」と小さくスタートした教室には現在30人ほどの生徒が在籍し、週4回教室を開いている。
プロの革職人を育てるのではなく、「日常の中で革や手縫いを楽しみながら良い作品が作れるようになる」というコンセプトで、「基本を大切にし丁寧に作ること」を教えているという野谷さんと一番弟子で同教室講師の篠塚沙紀子さん。「生徒さんには習ったことを友人に教えられるくらいになってほしい」と野谷さんは笑顔を見せる。
「革製品を使う人、革の良さを知る人が増えれば、自然と良い革が日本に入ってくるようになる」と、間口を広げるためにさまざまな活動をしていたという父の意思を受け継ぎ、野谷さんは「今後も革を使った楽しくてセンスのいい作品を広めていきたい」と話す。さらに、「誰でも簡単に作れる裁断された革や糸などがセットになったキットや、短期間でバッグを作る単発の教室、革のインテリア雑貨などにも製作の範囲を広げていきたい」と思いを込める。
開催時間は12時~19時(最終日は18時まで)。入場無料。