アサヒグループホールディングス(墨田区)が1月6日、雷門近くに設置した「対話型自動販売機」で実証実験を始める。
訪日外国人向けに「おもてなし活動」の一環として取り組む同実験は、アサヒ飲料(墨田区)の自動販売機に最新の音声認識技術による対話型コントロールパネルを設置し、利用者の行動データを蓄積、分析する。同技術は野村総合研究所(千代田区)のシステムを活用、クラウドを通じてデータを収集することで「商品の購買とファン化を促進するための施策を見いだす」としている。
システムは、購入客が既存の自動販売機横に設置したタブレット端末に向かって話す言葉を、クラウドから提供する音声認識サービスによりテキストに変換する仕組み。変換したテキストは構文解釈により文章として意味づけし、回答を再度音声に変換して端末に返すことで、購入客は端末とリアルタイムの会話ができるという。
商品の購入を検討する訪日外国人に対して、英語による音声コミュニケーションでお茶やコーヒーなどの商品カテゴリーを紹介。糖分や炭酸の有無、カロリー量などを含む商品情報の提供や「日本で人気のある商品」「寒いときに合う商品」などを通じて販売促進につなげる。
情報調査管理室マネジャーの上藪寛士さんは「端末からカジュアルに呼び掛けることで日本的なコミュニケーションを提供したい」と購入客の反応に期待する。当面は英語のみ取り扱い、「データ収集を活用して改善をしながら中国語などの言語も対応して広めていきたい」と今後の開発にも意欲を見せる。
設置場所は雷門交番に隣接し、当面は1台のみで運用する。