台東区立蔵前小学校(台東区蔵前4、TEL 03-3851-1535)で3月1日、「蔵前小学校6年生・お絵描き&サン描画教室」が開かれた。
今春同校を卒業する6年生の卒業制作プログラムとして行った同企画は、児童一人一人が手描きでデザインした図柄をTシャツの正面にシルクスクリーンで刷り、オリジナルデザインを完成させるというもの。「自分の手で刷ったものがその場で作品になるという感動や喜びを味わってもらいたい」という思いで活動するシルクスクリーン集団「グレムリン」が全面サポートした。
Tシャツの背面には「卒業記念用」にあらかじめ共通の図柄を印刷。事前に3クラス約90人の児童がそれぞれ、自分の名前にある1文字をイラストにしたものを同集団が組み合わせた。
先生役として参加した同集団の渡辺光太郎さんは、Tシャツに刷り上がる様子を見ながら「子どもたちの素直なリアクションに感動した」という。「聞きわけがいいしっかりした生徒が多く、自発的に取り組む姿が印象的だった」とも。
普段は染色家として一人で作業をすることが多い渡辺さんは、「今回の経験で人と人のコミュニケーションの大切さを感じた。今後もたくさんの人と完成を楽しむワークショップなど活動を広げたい」と意気込む。
同校は今年9月から改築移転工事が始まるため、今春が事実上最後の卒業式になる。昼休みには「最後の卒業生」となる6年生と同集団メンバーが屋上に上がり、チョークで思い思いの絵を描いて解体する校舎を惜しんだ。
製作したTシャツは後日行われる同校のイベントで披露する予定。