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浅草の漢方煎薬専門店がオープン半年 セルフ煎じコーナー併設、人気に

社長の瀧沢努さん(右)と広報・店舗開発室の藤本未来(左)さん

社長の瀧沢努さん(右)と広報・店舗開発室の藤本未来(左)さん

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 浅草六区の商業施設「まるごとニッポン」(台東区浅草2)2階に「漢方煎専(せんじ)堂」が移転オープンして半年がたった。運営は「タキザワ漢方廠(しょう)」(さいたま市大宮区)。

明るい照明でオープンなイメージの店内

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 「漢方薬をもっと身近で気軽に買えるように」とのコンセプトを掲げる同店。明るい照明を使った店内に「漢方煎薬の品目数業界1位」(同社)という同社が選んだ漢方煎薬24種を並べる。

 1包378円(1杯分)から販売し、買った商品を煎じて飲むことができる「漢方セルフ煎じコーナー」を併設する。土瓶で30分間煎じる従来の方法と比べ、耐熱ポットに漢方煎薬を入れて約5分間電子レンジで温めるだけという手軽さから人気を集め、一日400杯以上売り上げた日もあったという。

 同社はもともと地域の薬局・薬店に漢方薬を卸していたが、ドラッグストアの台頭により特約店が激減したため、人々が漢方店に持つ「敷居が高く入りづらい」「苦くて高いものを薦められるのではないか」といった負のイメージを払拭しようと2014年、セルフ方式で漢方薬を飲むスタイルの店をさいたま市大宮区にオープン。業界初の試みとして実際に試して気に入った漢方だけを選んでもらおうと、1カ月処方を基本とした販売を1杯から購入できるように変更し、価格も378円に統一した。

 社長の瀧沢努さんは「モデル店を作ってノウハウを構築し、既存店に取り入れてもらうことが狙いだった」と話す。「既存店への導入を進めていた昨年12月ごろ、オファーを受けたことがきっかけでまるごとニッポンへの出店を決意した。浅草に店を出すことで、この業態をより全国へ発信できれば」と意気込む。

 「今年6月には、これまでグレーゾーンとされていた『漢方のセルフ販売方式』について、経済産業省から、飲む所と販売する所の区間を明確にすれば問題ないとの正式な回答を得た」と瀧沢さん。「多くの人の間で体調が悪い時の第一選択肢に漢方が挙がるようになれば、医療費の削減にもつながる。やりたかったことが国からも認められすごく励みになった」と話す。

 主な商品は、「夏の疲れに効果的」(同社)という補中益気湯(ほちゅうえっきとう)・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)(1包=378円、5日分=2,240円)、アロエ茶・はとむぎ茶(以上1,026円)など。

 営業時間は10時~20時。

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