浅草公会堂前にある「今昔きもの胡蝶」(台東区浅草1)屋根に4月10日、新しい「ねずみ小僧」像がお披露目された。
鏡開きをする坂東彌十郎さん、勘九郎さん、七之助さん、坂東新悟さん
新たな像は、十八世中村勘三郎メモリアル「平成中村座発祥の地」記念碑建立に合わせた「勘三郎バージョン」。除幕式には、勘九郎さん、七之助さん、勘三郎さんのねずみ小僧を手がけた劇作家の野田秀樹さんらが駆け付け、「中村屋!」の掛け声が飛び交う中、大勢の見物客が見守った。
隅田公園の山谷堀広場は、2000年に中村勘三郎さんが江戸時代の芝居小屋を模した仮説劇場を設営し「平成中村座」と名付けて公演を行った場所。2012年12月に57歳という若さで亡くなった勘三郎さんをしのび、「平成中村座発祥の地」記念碑が立てられた。同時に「ねずみ小僧」像を勘三郎さんバージョンにリニューアルし、これまで伝法院通り側を向いていた像を、新人歌舞伎役者の登竜門とされる浅草公会堂を見守る向きに設置した。
勘九郎さんは「ろう人形並みに似ている」と笑いを取り「本当に似ていてびっくり。雨の日や雪の日が心配」とうれしそうに話し、七之助さんは「父が浅草公会堂を見ているから、若手の刺激になる」と喜びをかみしめていた。
2人は「平成中村座 陽春大歌舞伎 十八世中村勘三郎を偲んで」で5月3日まで、浅草寺境内の仮設劇場で公演する。