つくばエクスプレス新御徒町駅近くに7月20日、日本の「ローブローアート」を提唱する「mograg gallery(モグラグギャラリー)」(台東区元浅草1、TEL 03-5830-7647)がオープンした。
ローブローアートとは1970年代後半ごろ、米ロサンゼルスを中心に出現したストリート・アートで、「無教養(=ローブロー)の美術」の意味。定義に地域差はあるが、「サブカルチャーの枠組みで表現する」点で区別することが多い。デッサンや写生、油彩といった西洋の伝統的なルールにのっとり展開する「ハイブロー」に対し、それらを無視する位置付けとされる。
同ギャラリーは「日本のローブローアート」として、サブカルチャーの影響を受ける西洋中心のハイブローアートと、日本の「オタクカルチャー」のどちらにも含まれない「第三の表現」を、創作スタイルを問わず取り扱う。オーナーの太田素子さんは「参加アーティストが生活と制作の両立を目指すために勝負したかった」という思いで、ディレクターの沖冲(おきちゅう)さんとギャラリーを開いた。「イメージに合った場所との出会いがあったことも後押しとなった」と太田さん。基盤になったのは自宅ガレージで2008年から運営していた「mograg garage(モグラグガレージ)」(国分寺市)だという。
「制作した作家自身より作品を長く見られるのが作品を買う面白さ」と沖冲さん。同ギャラリーで取り扱う作家の限定グッズも扱い、「ギャラリーに買い物に来ることで、ここでしか買えないオリジナルグッズを手に入れられるのも魅力の一つ」と言う。「十分に見たと思った後、さらに1分見ることで、アートになじみがなくても、より絵を楽しめる」とも。
こけら落としとなる「かつまたひでゆき」さんによる「9キ(鬼奇気危忌稀喜生記)展」では、作品量の多さと、「戦争」を鏡文字のように描くことで「戦争反対」を示す風刺画など、「細かく見ると発見できることが多い」展示になっているという。かつまたさんは宇宙やオカルトの表現を得意とし、「制作」というより「開発」という概念で描くアーティスト。今回の展示について、「古き良きが生きる浅草がすごく好き。地元の人に見てもらいたい」と笑顔を見せる。
主なグッズは、mogragアート本(2,160円)、今回展示のグッズとなる、バッジ(540円)、布バッグ小(3,024円)、布バッグ大(4,104円)など。
同展開催中の営業時間は14時~21時。月曜定休。8月9日まで。