つくばエクスプレス新御徒町駅近くのアトリエショップ「山藤」（台東区元浅草1、TEL 03-3841-6885）が創業から116年を迎えた。

カムフラージュ・ツリー長財布

1899（明治32）年に当時17歳だった山本徳太郎が開業した同店は、1970年代後半に日本メーカーとして初めてルイ・フェローのライセンス商品の革財布を製作した。商品カタログを簡単に作れなかった昭和20年から30年ごろには商品写真をアルバムに貼り、カタログとして持ち歩いて受注したという。5代目の山本浩司さんが店を継いだのは1989年ごろ。

　一流ブランドのOEM製作も受ける同店は、メンズ向けの「PTAH（プタハ）」とレディースブランド「AQUA（アクア）」というオリジナルブランドも販売している。PTAHはエジプト神話に出てくる鍛冶や職人の守護神。「革新的で新しいものを作っていきたい」という思いから名付けたという。プラタナスという植物の天然樹皮を直接革にプレスすることで模様を付けるカムフラージュ柄が特徴で、革から製品になるまでに4カ月かかるという。浩司さんは「天然素材は一つ一つ味が違い、同じに仕上げる難しさがあるが、フォルムにこだわり美しい顔に仕上げたい」と気持ちを込める。

同店は「ものづくりの良さをみんなに感じてほしい」との思いから、2012年11月にアトリエショップをオープン。ガラス張りの店内は職人の作業場でありながら、製品の販売や道具なども展示する。浩司さんは「日本人の繊細さや色使いなど、『日本人らしさ』をものづくりで表現し、海外の人にも喜ばれるものを作りたい」と今後を見据える。

主な商品は、「カードが入る小さな小銭入れ」（7,180円）、「キーケース」（7,452円）、「AQUA-折り紙コインケース」（3,024円）、「PTAH-カムフラージュ・ツリーの長財布」（27,000円）、「PTAH-カムフラージュ・ツリーのトートバッグ」（46,440円）など。

　営業時間は10時～17時。土曜・日曜・祝日定休。