浅草の吉原かいわいで10月29日・30日、現代アートと伝統芸能のイベント「吉原芸術大サービス2016」が開催される。
吉原弁財天周辺のイメージアップを図ろうと、2012年に阿部圭佑さんら4人の作家が壁画を描いて「奉納」したことから始まった同イベント。2013年より現代アートと古典芸能を同時に味わうことをコンセプトに開き、今年で4回目となる。
今年は、アーティストのきむらとしろうじんじんさんが「野点(のだて)」を行う。手で成形する楽焼(らくやき)という方法で茶わんを自作し、それで味わうこともできる。吉原神社の倉庫で壁画を発表する熊倉涼子さんは、ダンボールにビーナスとマルスを描く。熊倉さんは「不倫の象徴である両者を描くのは、日本の春画や吉原という場につながる」と話す。
桜なべ中江では家を担いで全国を旅した村上慧さんが「家と生活」をテーマにした作品を発表する。吉原神社では岸井大輔さんが縁起をテーマにした創作演舞、千束健康増進センターでは舞踊ユニット「てんつく」が日本舞踊を披露する予定。吉原会館や花園公園でも展示やパフォーマンスが行われ、17組のアーティストが吉原かいわいをにぎわす。
同イベントをプロデュースする阿部圭佑さんは「表現者にとって刺激的だが足を踏み入れにくい場所でもある街をつなぐプラットフォームになった」と話す。「吉原の街を直接体験し、さまざまなしきたりの中でアーティストが表現するものを見てほしい」とも。
開催時間は11時~18時。入場無料。詳しい時間はホームページで確認できる。花園公園にインフォメーションセンターを設置し、イベントマップを配布する。