多文化共生社会づくりを目指すボーダーレスハウス(台東区柳橋1)が12月1日、訪日外国人などを自宅に招くホームビジット事業「Borderless Visit(ボーダーレスビジット)」を始めた。
ボーダーレスビジットは、海外からの旅行者や日本で暮らす在留外国人を自宅に招き、一緒に食卓を囲むことで日本人の普通の暮らしを体験する異文化交流サービスのこと。2~3時間の滞在中に食事や会話を楽しむことを目的とするため、特別なおもてなしや豪華な食事は不要。ホームステイより気軽に始められるのが特徴だという。ゲスト受け入れ費用として、ゲスト1人当たり3,000円が後日、ホストに支払われる。
ボーダーレスハウスは2008(平成20)年、外国人と日本人が一緒に暮らす国際交流シェアハウス事業で始まった。「違うを越えて人と社会をつなぐ」をビジョンに掲げ、本社がある浅草橋をはじめ、日本・韓国・台湾の3カ国にまたがる80棟のシェアハウス(956部屋)を運営する。今回の新事業は、14年間の実績を持つNPO法人「NAGOMI VISIT(ナゴミビジット)」からの事業譲渡を受け、新ブランドとして再始動する形となる。
ボーダーレスハウスの李成一社長は「既に東京・京都などの地域では外国人旅行者が待っている状態でホストが足りていない。ぜひやってみたいと思うホストの方を増やしていきたい。僕も受け入れたが、日常の家が国際交流の場になって、すごい楽しかった」と振り返る。
さらに、「今後は事業として海外にも進出していきたい。韓国・台湾には自分たちの拠点もあり、アジアの国々でも旅行者が増えて同様のニーズがあると考えている。『違うを越えて人と社会をつなぐ』というビジョンを掲げているので、その『違う』を乗り越えられるようにしていきたい」と意気込む。