「第8回したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会(TEL 03-5428-2667)が6月15日、コメディアンやコメディー関係者に贈る「コメディ栄誉賞」にビートたけしさんを選出した。
「したまちコメディ映画祭」は、喜劇の「浅草」と文化芸術の「上野」を舞台にしたコメディー映画祭。毎年「笑い」を通して多くの人々を楽しませたコメディアンやコメディー関係者に敬意を表し、「コメディ栄誉賞」を贈っている。これまでの受賞者は、コント55号、ザ・ドリフターズ、西田敏行さんなど。8回目となる今年は、お笑いだけでなく、映画監督、俳優など多方面で活躍するビートたけしさんを選んだ。
今回の受賞に合わせ、たけしさんの「故郷」とも呼ばれる演芸場「東洋館」では、1999年公開の北野武監督作品「菊次郎の夏」を上映する。上映前には舞台あいさつも行う。たけしさんは「お笑い芸人・ビートたけしと映画監督・北野武の両方への評価と受け止めている。自身の芸能活動の出発点である浅草での受賞は、いただけるものは何でもいただく私にとっても、とりわけ大きな喜びがある」とコメントを寄せている。
上映場所の「東洋館」の正式名称は「浅草フランス座演芸場東洋館」。「浅草フランス座」は1951(昭和26)年にオープンしたストリップ劇場。ストリップの合間に上演されたコントが評判となり、1959(昭和34)年に「東洋劇場」が生まれ、渥美清さんや長門勇さんなどがコメディーを演じ人気を博した。同劇場のオープンがきっかけで「浅草フランス座」がビルの4階から5階に移動となり、エレベーターが設置された。当時、エレベーターボーイとして雇われたのがたけしさんだった。たけしさんは「浅草フランス座」での芸人修業中に「ツービート」を結成。漫才ブームの立役者となった。
同劇場はその後、閉館や再オープンを繰り返した後、2000年元日に「浅草フランス座」を改装した「浅草東洋館」として再オープンした。現在は漫才や漫談などを中心とした演芸場で、浅草演芸ホールと共に歴史ある浅草お笑い文化の一角を担っている。
映画祭は9月18日~22日。