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120年続く洋食店「一新亭」、建て替え中はボーダレスハウスで間借り営業

ボーダレスハウスの前で「一新亭」のスタッフとボーダレスハウスの李社長

ボーダレスハウスの前で「一新亭」のスタッフとボーダレスハウスの李社長

 浅草橋で120年続く洋食店「一新亭(いっしんてい)」(台東区浅草橋3)が本店建て替え工事に伴い、国際交流シェアハウスを運営する「ボーダレスハウス」(柳橋1)1階のキッチンスペースで間借り営業を始めて、4月10日で1カ月がたつ。

三色ライスを食べるボーダレスハウスの李社長

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 1906(明治39)年創業で、今年で120周年を迎える同店。名物「三色ライス」などで広く知られ、地元で愛され続けてきた。数年前から店舗兼住宅の老朽化と、3代目店主・秋山武雄さんらの高齢化を見据えて建て替えを検討。しかし、建て替え工事の着工が大幅に遅れ、長期的に営業を継続できる仮店舗を探す必要に迫られていたという。

 その窮地を救ったのが、柳橋でシェアハウスを展開するボーダレスハウス。地元の知人の紹介で事情を知った同社社長の李成一さんは、間借りの打診を快諾。李さんは「2022年にこの場所を借りた時から、地域の人や海外の方と交流できる『地域に開かれたスペース』にしたいと考えていた。ただ場所を貸すだけでなく、地域と関わりながら営業を続けたいという一新亭のストーリーは、私たちの目指す形と見事に重なった」と話す。

 現在、厨房(ちゅうぼう)には71年間フライパンを振り続ける3代目の秋山さんと、4代目を2人で引き継ぐ姉妹の秋山夏葉(なつよ)さんと山崎裕代さんが立つ。姉妹は「両親の年齢を考えると、店を休んで体力を衰えさせるわけにはいかなかった。快く場所を貸していただいたおかげで、父も再び元気にフライパンを振ることができている」と感謝を口にする。

 仮店舗での営業は、新店舗が完成するまでの約1年間を見込む。歴史ある洋食店と、外国人居住者や若者が集うシェアハウスという異色のコラボレーションに対し、姉妹はこの期間を「ボーダレスde一新亭」と呼び、新たな挑戦の場と捉えている。メニューは、三色ライス(1,400円)、カレーライス、オムライス(以上900円)、ハヤシライス(1,200円)など。

 夏葉さんは「かつて両親が作っていたポタージュスープなどの復刻メニューや新しいメニューの開発にも、ここで挑戦したい。シェアハウスに住む海外の方や柳橋の新しいお客さまとの交流を通して刺激をもらい、そのエネルギーを新しい一新亭へ持ち帰れれば」と意気込む。

 李さんは「一新亭を訪ねてきた方がこの場所を知り、逆に近所の方が一新亭を知るという良い循環が生まれている。この1年という『つなぎ』の期間を全うしてもらい、何十年後かに『あの柳橋での1年があって良かった』と言ってもらえれば、私たちとしても十分うれしい」と話す。

 営業時間は11時30分~14時30分(ラストオーダー)。土曜・日曜定休。

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