浅草を舞台にしたライトノベル「神様!仏様!きつね様!」(角川ビーンズ文庫)が出版されている。
同作品は、みこの少女と浅草神社の神主が主人公のフィクションで、「浅草寺」を中心に「浅草神社」や「木馬亭」など浅草観光の人気スポットが多く登場する。「浅草ROX」にある大型書店では入荷分が一時品切れになるなど話題となった。
著者の浅草アリスさんは浅草出身。浅草高校を卒業後に専門学校で音響を学び、地図製作会社に勤めた異色の経歴を持つ。同僚たちと接するうちに、実は浅草がよく知られていないことを目の当たりにし「浅草をもっと知ってほしい」との思いを強くしたという。結婚後、小説の投稿コミュニティーサイトをきっかけに、浅草を舞台にした今回の物語が誕生した。
もともとシチュエーションやストーリーなどを考えることが好きだという浅草アリスさんは、日本舞踊でも「名取」の実力を持つ。小さなしぐさやダイナミックな場面それぞれに意味合いがあり、その表現一つ一つから創造性を生かして執筆に充てることもあるという。しかし、ロマンチックなシーンは苦手で筆が止まってしまい「同級生たちに助けを求めた」というエピソードも。
同小説を読んだファンからは「浅草巡りをしたい」との声が寄せられ、浅草巡りのコツを聞かれるなどのコミュニケーションも生まれた。「この物語が浅草観光に役立てばうれしい」と浅草アリスさん。奥浅草エリアには知り合いのカフェや店舗も多く、「地域の活性化につながれば」とも。
現在、2作目を執筆中で「登場する店や施設などをまとめたオリジナルの浅草観光マップができたらうれしい。このストーリーが広がって、海外からの観光客のガイドになれたら」と期待する。