鳥越神社(台東区鳥越2)で6月6日・7日、例大祭「鳥越祭」が開催される。縁日屋台は約250店、来場者数は約30万人が見込まれている。
同祭で担がれる千貫神輿(せんがんみこし)は重さが約4トンあり都内最重量。千貫の「貫」は重さの単位で、1貫は約3.75キログラムに相当する。千貫で約3750キログラムとなることから「大きく重い」という意味となり、特に大きなみこしを「千貫神輿」というようになった。同神社のものが元祖として知られ、現在の神輿は震災で焼失したものを1928(昭和3)年に復元したもの。特徴は重さだけではなく、狭い町内を練り歩くために担ぎ棒が短く、担ぎ手1人当たりの負担が大きいことも挙げられる。そのためみこし渡御(とぎょ)の難しさは都内随一ともいわれている。
祭りのクライマックスは7日の夜に行われる宮入道中(みやいりどうちゅう)。みこしの周りにちょうちんを付け、数百の高張りちょうちんを掲げるその様子から「鳥越の夜祭り」とも呼ばれ、幻想的な雰囲気で人気を呼んでいる。暗闇の中を明かりがゆらゆらと揺れることから「お化けみこし」の別名も。みこしにちょうちんを付けるのも同神社が元祖とされる。
同祭りは「けんか」も有名で、毎年機動隊が出動しバリケードができるほど。「あまりの激しさに泣き出す女性もいる」という。
同神社は飛鳥時代の651年に建てられた歴史のある神社で、日本武尊(ヤマトタケル)、藤原氏の氏神である天児屋根命(あめのこやねのみこと)、徳川家康を祭っている。源頼義(みなもとのよりよし)・義家(よしいえ)父子が、前九年の役(ぜんくねんのえき)制圧のためにこの地を通った時に、隅田川を渡れずにいたところ、白い鳥が川の浅瀬に降り立ち浅瀬を知り、軍勢を対岸に渡し東国鎮定を果たしたことから、「白鳥明神の加護」とたたえ、鳥越大明神の社号となったという説が伝えられている。
開催時間は、6日=午前中~(各町会計画による)、7日=6時30分~21時15分(宮入道中・鳥越の夜祭りは19時ごろ~)。