浅草の街全体を舞台にしたエンターテインメントバスツアー「サムライ＆忍者サファリ」が現在、土曜・日曜限定で行われている。

「サムライ＆忍者サファリ」の出演者

　同ツアーは、過去からタイムスリップした侍と忍者が、浅草の街中で捕物劇を行う移動型エンターテインメント。日本語と英語のバイリンガルMCによる歌やラップを交えた観光案内を楽しんでいると、「凶悪な忍者が現れた」という緊急ニュースが入り、ツアー参加者と共に捕まえに行くという設定。トロリーバスの車内からは侍と忍者の熱戦が見られ、参加者や街の人たちの協力で忍者を追い詰めていく。

　企画協力を行うセグラスツーリズムエージェンシー（雷門）は、浅草の豊富な観光資源をつなぐためのシステムとして、「エンタス」を提唱している。「エンタス」とは観光にエンターテインメントの要素を「足す」という意味の造語で、役者が浅草の裏道を面白おかしく案内したり、パフォーマーが芝居を組み合わせて紹介したりするもの。

　きっかけは同社が運行する浅草エリア無料巡回バス「パンダバス」で行ったアンケート。浅草の滞在時間が約2時間という結果を受け、点だった観光スポットをつなぎ、滞在時間を延ばす目的で考えられた。ツアーMCを務めるKENさんは「街の人から浅草のコアな魅力を聞き、エンタスツアーのストーリーにしている」と話す。

　同ツアーのパフォーマーは、サイレントコメディー・デュオ「がーまるちょば」の後輩役者。サイレントコメディーは、アクロバットやパントマイムなどを組み合わせた「せりふ」を使わない芝居で、子どもから高齢者、外国人も楽しめる。忍者との戦いを終えた侍は「どんな人にも優しくするのが侍の務め。これからも助け合いの精神で浅草に貢献したい」と意気込む。KENさんは「街の人が自主的に参加してくれるのがうれしい。街全体を生のエンターテインメント劇場にしたい」と思いを語る。

　参加料金は4,900円。出発時間は10時～、13時～。所要時間は約60分。予約はウェブサイトで受け付ける。11月29日まで。