明治通りの白鬚橋近くにある「浅草ものづくり工房」(台東区橋場1、TEL 03-3876-3720)に入居中のアップサイクルブランド「retela(リテラ)」がインドのブロックプリント工場と提携し、11月から新しいプロジェクトを開始した。
同プロジェクトは、インドで通常は廃棄される布をファッション雑貨などの製品としてよみがえらせ、その作業も現地で行うことで、継続可能な流通を目指すプロジェクト。
使用するのは、ブロックプリント制作時に、作業台が汚れないように敷かれる十数メートルの布。繰り返しプリントされていく中で意図せずに付着する付く色や柄に、同ブランド代表の大越敦子さんが着目した。最初は「こんなゴミどうするんだ?」と怪しまれたが、トートバッグやスリッパなど製品のサンプルを見せると、「いつも捨てていた布がこんな風に生まれ変わるなんて」と喜ばれ、提携が決まったという。大越さんは作業台に敷く布を支給して製作まで委託し、循環する仕組みを確立した。
ブロックプリントとは木彫りの版に塗料を付け、スタンプを押すようにプリントしていく技法で、全て手作業。歴史は古く紀元前2500年ごろのインダス文明でも流行していたとされる。
工場で働く人の中にはストリートチルドレンだった人もいるという。大越さんは「みんなが笑顔になれるプロジェクトにしたかった。手作業なので大量生産はできないが、工場に貢献できれば」と話す。「今まで誰も見向きもしなかった布のリユースがインドで定着したらうれしい」とも。
2月には合同展示会、4月には販売を開始する予定。