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Hi-STANDARD難波章浩さん、浅草に新潟ラーメン「なみ福」 架け橋に

店の前で近隣の店主らと鏡開きする難波さん

店の前で近隣の店主らと鏡開きする難波さん

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 パンクロックバンド「Hi-STANDARD(ハイスタンダード)」のボーカル・ベース難波章浩さんが社長を務める「いい日」が難波さんの誕生日でもある6月9日、3店舗目となる新潟ラーメン店「なみ福 浅草店」(台東区浅草1)をオープンした。新潟にある角田浜(かくだはま)本店、新大店(しんだいてん)に続く3店舗目。

ラーメンチャーハンセット

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 ラーメン店の開業は自身の趣味だったラーメン店通いから始まる。数あるラーメン店の中で一番好きだった地元・新潟の「楽久(らっきゅう)」が2021年に閉店することを女将(おかみ)からに告げられた際、「僕に、この味を守らせてくれませんか?」と衝動的に伝えたところからプロジェクトが動き始めた。ラーメン・チャーハンの味の継承、仲間探し、店舗探し、クラウドファンディング、店舗の工事など幾多の困難を乗り越え、2022年9月、角田浜本店のオープンにこぎ着けた。

 「振り返ってみて、ラーメン屋をやってみたかった。バンドをやる前から。ラーメン屋さんは、かっこよかった。バンドで飯食っていければいいなと思ってはいたけど、それは夢のまた夢。そうじゃなかったら、ラーメン屋さんをやってみたいなという気持ちが、実はすごい前からあった」と難波さんは振り返る。「だから、女将から『店を畳む』という話を聞いた時、そこで『前からラーメン屋をやりたい』という気持ちとビビンとつながった。『この味を引き継がせてください』と、すぐに反応してしまった」

 始めると決めたからといって、簡単な道ではなかった。「やはり、味の継承が大変だった。とても繊細な世界。女将が独自で19年間かけて構築してきた味を継承するのは、そんな簡単なことではなかった。毎日試行錯誤の繰り返し。今でも研究を続けている」という。

 角田本店をオープンしてから2年、浅草の店を開くきっかけにも、ある出会いがあった。もともと2008(平成20)年から新潟と東京を行き来する2拠点生活を送っていた。東京の数ある街の中から浅草を選んだのは、「ピンときてしまったから。つっかけ、ジャージーで胸張って歩けるのは、本当に新潟に近い。全然気取らないでいられるのがいい」。

 2024年秋、行きつけの洋食店「ぱいち」(浅草1)で、使われていない近所の物件について話していた時、「あの角の建物がかっこいい。あそこで店をできたらと思ったんですよね」と気軽に話した。すると、「あそこ、幼なじみだから聞いてあげるよ」と大将に言われた。その後、話は進み、「やるしかない」と覚悟が決まり、オープンする運びとなった。

 築60年のすし店の歴史を大切にすることにし、取り壊さずに基礎をベースとしながら工事を進めた。想像以上に老朽化が進み、天井は朽ち、壁や柱は腐り、配管は陶器製。これらを全て取り換え、作り直す作業を進めた。何度も「新築にした方が早いし安い」とアドバイスされたものの「気持ちはブレなかった」という。工事費用は角田浜本店オープン時と同様にクラウドファンディングで募り、足りない分は難波さん自身が捻出した。

 メニューは、ラーメン(1,000円)、ラーメンチャーハンセット(1,400円)。席数は1階7席、2階11席。

 今後について、難波さんは「まずは浅草に根を張りたい。地元の方から愛される店になりたい。『新潟ラーメン』と掲げてラーメン屋を浅草で始めた人はいないのでは。浅草の人にまず新潟ラーメンを知ってほしい。新潟と浅草をつなぎたいと思ってる。浅草の人たちにも新潟に遊びに行ってもらいたいし、新潟の人たちにも浅草にも来てもらいたい。そういう架け橋になれれば」と意気込みを見せる。併設する「なみ福茶屋」では、新潟県産の食材も使用したチーズケーキ、オリジナルのコーヒー、ソフトクリームなどを提供している。「ゆくゆくは『なみ福茶屋』としても店舗を出せれば」とも。

 営業時間は、昼営業=10時30分~13時30分、夜営業=17時30分~19時30分。混雑時は整理券を配布。配布時間はInstagramやXを参照。火曜定休。

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