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インタビュー2016-09-21

即興パフォーマンス集団ロクディムインタビュー(後編) コミュニケーションを120%楽しむコツ

渡猛さん、カタヨセヒロシさん、名古屋淳さん、小田篤史さん、りょーちんさん、LEEさんの6人のメンバーから成る即興パフォーマンス集団ロクディム。

元は俳優養成所や専門学校で即興を習っていたという彼らは、企業や学校でのコミュニケーション講座なども担当する。そんな彼らに、コミュニケーションの秘訣(ひけつ)を聞いた。

即興パフォーマンス集団ロクディム(2015年東洋館での公演)
人と話すのが苦手な人でも、誰かを笑わせるには?

―コミュニケーションの講座をされていたと思いますが、例えば人と話すのが苦手だという人でもできる「好きな人を笑わせる方法」はありますか?

りょーちん「僕が思う笑いが生まれるコツとしては技術的なこともありますが、一番大事なこととして、自分が一番感じていることだったり、本当に思っていたりすることをそのまま言うということかな。もし僕がアドバイスするとしたら、本当に自分が緊張して何を言っていいのか分からないんだっていうことを、そのまま伝えること。
 
僕らも即興という虚構なことをやっていますが、実は自分たちが持っているリアリティーで臨んでいるので、僕たちにうそがなければ、お客さんも一緒に入り込めるし共感できる。相手と共感し合うためには、自分が思っていることをお互い共有し合うということが、コミュニケーションとして大事だと思います」

―なるほど、うそがないって大事ですね。

カタヨセ「あとは、ものすごく頑張ってネタを考えて、普段の自分ではない感じで120%くらいの力でぶつかってみるというのも一つのやり方」
 
一同「あー、逆にね」
 
カタヨセ「答えなんかないから、『やりたいことやってみる』ということ」
 
一同「そうだね」
 
カタヨセ「大体それは失敗するじゃない(笑)」
 
ワタリ「最初のデートみたいに、ちゃんとプラン通りに。もしこれがうまくいったとしても、あとあとボロが出て悪い結果になるんですよね。結果、悲惨なことになるとか」
 
カタヨセ「ボロが出るまで頑張って、結果出したけど、それすらも分かるよって言ってくれる可能性もあるじゃないですか」
 
ワタリ「そういう人と付き合えるといいよね」
 
カタヨセ「そうそう、だからなんでもいいのかなって」
 
一同(笑)
 
りょーちん「『何でもいいこと』の根本というのは僕らが即興で大事にしていることで、先を不安がらない。未知に対して恐れない、ということ。結局、まずは出してみないと、相手からどんな反応が出てくるか分からないっていうところもあって。だから、まずは『やってみなよ』というのが、すごく面白いだろうな」
 
カタヨセ「『失敗してもいいんだよ』というのが即興ではとても大事なんですけど、ダメだったっていう経験が身になるので、いいんです」
 
即興劇のパイオニア、ロクディムが語る即興の魅力
即興パフォーマンス集団ロクディム

―即興のおもしろさ、魅力ってなんですか?

ワタリ「自分がパッと思いついて言ったことを振り返ると、『そうか私はこんなこと考えてたんだ』とか。改めて自分を知る機会になるので、自分の成長とか、どこに行きたいのかとか分かるところはいいところだなと。それがフィクションの世界で経験ができる。それは面白いことだなって」
 
りょーちん「僕らは『今』の連続の中で生きているんですが、即興というお芝居は、相手が言ったこと、自分が言ったことをより意識的に体験できる場というか。僕たちは物語をつくっているというか、やり取りを興味深くしていくっていう言い方をしているんですけど、今起きていることを興味深くしていくと、凝縮された『今』を感じられる。自分自身が今生きているという実感、よりよく生きるというのを体験できる場になるんじゃないかと」
 
カタヨセ「僕たちのパフォーマンスは本当にどこでもできる。そういう原始的なやりとりのパフォーマンスを見ても楽しい。これってすごく人と人とのコミュニケーションの基本的な部分だと思っていて…。今起こったことを生かしていこうっていう視点になると、次に物語って進むんですよね。それが見えてくると、自分の存在のし方というか、生き方が変わってくると思うんです」
 
ワタリ「自分を守るっていうのは悪いことではなくて、本能的に身を守りたいという思いがあると思います。いつも答えを求められていて、間違えることをとても恐れているとしたら。『怖いから人と絡めなくなることがあった時に、『ここは安心なんだ、安全なんだっていう状況をいかに創るかと…。
 
周りの人が笑顔になってくれると、『どんどん出していい、間違っていいんだ』みたいな空気になって、そういう時に自分の守りから外れて、それでみんながワイワイやれると、いろんな奇跡というか、こんな好きな自分がいるとか、こんなことやりたい自分がいるとか見つけられる」
 
カタヨセ「答えは外にあるんじゃなく自分の中にあるってことですね」
 
一同「おおっ!」
 
ワタリ「また、結局それで活字になっちゃうんだよな(笑)」
 
一同「笑」
 

―どうしても合わない人といいコミュニケーションを築く時のアドバイスはありますか?

小田「僕の場合は、実演販売もやってるんですけど、忙しい人が多くて、こっちは関わりたいけど、関わってくんな、みたいな状況がいっぱいあって。僕が最近気づいたのは、自分がこの場所を楽しくするっていう覚悟を決めると、どういう対応されても平気になる。相手の状況を見て、楽しくするにはどうしたらいいだろうとか、分の中で決まっているから、迷わないんですよね。自分の中で実感していることなんですけど、なんか怒られた時に『勉強になりました!』とか、心の底から言えるようになったんですよ。それはすごい変化だなと思って。スタンスを決めるっていう…」
 
ワタリ「自分が何者かをちゃんと決めるってことだよね」
 
小田「どういう風に関わるか」
 
ワタリ「それは、自分がどうしたいかが分かるってことだよね。自分に軸がないと、相手に対して一つ一つ『つまんなそう』とか、相手に寄り添い過ぎちゃう気がするな」
 
カタヨセ「物語でいったら主役みたいなね」
 
小田「あ、そうかもしれない」
 
カタヨセ「提供される側の役割なのか、意志をもって自分が提供する側なのか。そうすると客観性も持てるんだろうね、自分に対して。『これだったらこうやってみよう』とか。視野が広くなるのかな」
 
ワタリ「自分が何者かとか、主役になるとかいうのは、選択肢があることも大きいんじゃないかな。自分の中で(スタンスを)決めておくと、選択肢が増えて余裕ができるかもしれない。『何かをしないとダメ』という発想になった瞬間に緊張するし、視野が狭まるし。それを回避する方法としては、選択肢をつくるっていうこともあるのかな…」

―なかなか分かり合えないような人とでも場を楽しくするコツっていうのは何かありますか?

りょーちん「テクニカルなことだとすると、自分が知っていることに寄せるというか、例えば昔の俳優さんの話をされた時に『えー、そんな方いらっしゃるんですか!』みたいな、その方の話に乗っていっちゃう。そうするとその人が『この人は男前だったんだよ』とか話している側としてはすごく乗ってくるというか。寄せ合っていくことで最終的に『よく話聞いてくれたな』みたいな…」
 
LEE「自分は営業することがあるんですけど、質問するっていうのはあります。相手に質問すると、饒舌(じょうぜつ)に楽しくなってくる」

―初めて会う人で共通点も分からない人には、どんな質問から入るといいでしょう?

LEE「パッと相手の腕時計を見た時に、『その時計どこで買ったんですか?』とかで。答えが返ってきたら『ええー!』ってちょっと大きくリアクションして(笑)。そこでまた質問すると、相手もいい気分になって」
 
ワタリ「そんなLEEさん、見たことない(笑)。何で俺たちにやってくれないんだ(笑)」
 
りょーちん「質問すると『何だ、分かんないのか』って言われて仲良くなるとか。それも興味深く質問する、知りたいっていう欲があって質問しているか、興味のないところでの質問なのかは、相手にも分かるから」
 
カタヨセ「場を盛り上げるということが、『この場で私は面白いことを言いたい』だとしたらとても難しい。だから『なぜ場を盛り上げたいのか』を考えると在り方が違ってくる。面白い場だったら自分は引いてる方がいいかもしれないし、自分はこの人たちの評価を得たいから、面白いことを言わないといけないとなると、また違うだろうし。なぜ場を盛り上げたいのかっていう目的なり問いが、その先を分けるんだろうね」
 
小田「この人といい時間を過ごしたい、だとまた話し方も変わるだろうしね。自分から興味のあることを探すだとか」
 
カタヨセ「あとは、どうしても合わなければ最終的にトイレに逃げてみるとか(笑)」
 
ワールドツアーを視野に!今後のロクディムは?

―ロクディムの今後、次のビジョンというのはありますか?

カタヨセ「先月、大分のホール4カ所でツアーをやってきたんですね。そのうち2カ所は1200人くらい入る大ホールで。もっとあの空間を使って、クオリティーの高いパフォーマンスのやり方を考えたいなと思っていて。ライブを撮って、ライブビューイングみたいに、後ろの人でも本当に詳細なところまで見えるとか、規模感を大きくしても即興の面白さが伝わる仕組みというか、見せ方を工夫したいと思っています。場所によっては大きいところしかないというケースもあるので、いろいろな対応ができれば、たくさんの人に届けられるし、僕らも変化して次に行きたいです」
 
小田「あとは海外じゃないですかね。人にも影響を受けるパフォーマンスだから、それが海外になったらどうなるんだろうっていう。そこはもう未踏の地ですけども」

―海外はどこに行きたいとかあるんですか?

小田「今はアジアですかね。今、見えてる感じだと台湾かな」
 
カタヨセ「各地の日本語学校とか行きたいね。『僕らも言語教えてもらって楽しいね』みたいな」
 
りょーちん「日本もまだ僕らが行ったことがない場所もあって」
 
ワタリ「日本、全部行きたいんですよね」
 
りょーちん「そういうのも人を介してつながっているので、また、今回の東洋館でもどんな出会いがあるのか。出身地を話すと『うちの地元でやってください』という縁も今まであって」
 
ワタリ「呼んでくれる人たちにも恩返ししたいし、九州で1000人のホールも埋めたいし。埋めるような人物になっていたいし。それがきっと最高の恩返しなんじゃないかなと思う。海外のいろんなシチュエーション中でも、楽しいよとか人生って悪くないよとか思えるようなものを世界中でやりたい。そうなったらいいですね」
 
カタヨセ「分類としては日本各地でやるのがジャパンツアーになるから、海外は…」
 
りょーちん「ワールドツアーって言っちゃう?」
 
一同(笑)
 
カタヨセ「1カ所行っただけで、言っちゃう?」
 
りょーちん「ワールドツアー・イン・タイワンで」
 
ワタリ「世界行くぞっていうメッセージが出てますよね。1カ所行ったら、もうその国制覇みたいなね笑」

―ありがとうございました!世界で活躍するロクディム、今後の活躍も楽しみにしています!

【プロフィール】
即興パフォーマンス集団ロクディム
渡猛さんとカタヨセヒロシさんが共同主宰を務めるパフォーマンス集団。メンバーは、写真左から、名古屋淳さん、小田篤史さん、カタヨセヒロシさん、渡猛さん、りょーちんさん、LEEさん。「この瞬間を一緒に笑おう。」をテーマに、観客と一緒に「今、ここ」をつくり、楽しむ即興芝居×即興コメディーパフォーマンスを中心に活動中。
2016年9月17日に浅草・東洋館で第10回単独ライブ「、(てん)」、23日にあさくさ劇亭でライブを開催。チケットの詳細はホームページで確認できる。
 
(文責:小俣智子/浅草経済新聞)
 
(関連リンク)

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