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台東区の工房マップ記載第1号 靴作りのシェア工房が3年 

武田製靴の武田和芳さん

武田製靴の武田和芳さん

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 浅草警察署近くの「武田製靴」(台東区浅草5、TEL 03-6715-0527)が、靴作りのための会員制シェア工房「シェアファクトリーASAXA(浅草)」を立ち上げて3年がたった。

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 同社は、2002年に東京都産業労働局の「産業集積地域等観光資源化認定企業」に指定され、台東区の工房マップ記載の第1号となった。2012年には靴メーカーのための「シェア工房」を新規オープンし、靴作りの知識や機械操作のスキルがある人を対象に、メーカーをリタイアした人やプロとして活動を目指す人などを幅広く募集している。

 社長の武田和芳さんは、シェアという言葉が台頭する前から「開かれた工場を作りたいと考えていた」と話す。受注してからデザイン、制作までが「ワンストップ」でできることも同社の特徴で、社員に空きが出ると意欲的な若者から多く応募があったが、企業として全員の思いに応えられないことに心苦しさを感じ、「いつかこの若い人たちと一緒にやりたいとの思いを強くした」という。東日本大震災を機にその思いの実現に向け、約1年の準備期間を経て念願の同工房を開設した。「浅草は取引先や仕入れ先が近く便利な立地。個人で所持するのは難しい機器もそろっており、勝手もよく便利」と、開設当初から利用する個人メーカーは話す。武田さんは「ものづくりが価値あることだと考える人が、広く出入りしてほしい」と思いを口にする。

 先日、大手衣料メーカーによるシューズ販売のニュースが伝えられた。「日本のものづくりもほとんどが衰退し、今治(愛媛県)や三条(新潟県)など生き残っているところはわずか。靴業界も生き残りを懸ける必要がある」と武田さん。「新しいものが根付き、産業として発展していくのが浅草の強さ」と格別な思いをのぞかせる。「ものが十分となった日本で、果たして大量生産はどこまで必要なのか。日本なりのものづくりの形を模索したい」とも。

 利用時間は9時~21時(登録する会員システムにより異なる)。入会金は3万2,400円、保証金は6万4,800円。会費は会員により異なる。

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