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蔵前に革職人養成所開講 業界のピンチ救う取り組み

革小物メーカー勤務の受講者と池田さん

革小物メーカー勤務の受講者と池田さん

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 都営浅草線蔵前駅近くの革小物アトリエショップ「PRO-MENER(プロムネ)」(台東区蔵前4、TEL 03-5829-6857)が、革職人を育成する養成所「Atelier K.I.」をオープンして半年がたった。

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 オーナーでサンプル職人の池田耕平さんは「革職人の高齢化が業界では深刻な問題となっている」と危機感を口にする。サンプルの依頼が来ても、それを作る職人が不足しているため、商品にならずに埋もれてしまうこともあり、「このままでは業界が危ない。若い職人を育てたい」と半年前に店舗兼オフィスの一角で養成所を始めた。

 池田さんは自身のブランドを持ちながら、約20社に及ぶ大手メーカーのサンプルを制作している。技術力のほかにさまざまなメーカーの情報を持つことから、養成所には同業者や工場責任者など業界のプロも受講しており、北海道から泊まり込みで学びに来る人も。

 内容は基礎から学ぶ「通常講座」と業界のプロが学ぶ「技術講座」の2講座を用意。革小物メーカー勤務の生徒は「一通りの技術を学んで職人への的確な指示ができるようにするためと、万が一、職人がいなくなった時は自分が職人になれるように」と受講に通っている。

 多くのメーカーが職人に外注している中、池田さんは自社ブランドのクオリティーを上げるために、企画からデザイン、制作までの全てを社内で確立させることを目標にしており、「この養成所は通過点。資金を集め、もっと多くの人を育てる学校を作ることが次の目標」と意気込む。「今は職人が不足しているから若い人にはチャンス。昔は一人前になるまで10年はかかるといわれていたが、勘がよく根気ある人は1~2年で一人前になれる」と受講を呼び掛ける。

 開講時間は火曜・水曜・木曜の18時~22時。

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