浅草寺(台東区浅草1)で12月17日、「浅草寺歳(とし)の市 羽子板市」が始まった。
年末の恒例行事である同市では五重塔前に51の店が並び、華やかな羽子板約4000本を披露している。
その年に話題になった人をデザインした久月(柳橋1)の「変わり羽子板」も特別展示され、今年で31回を数える。過去30年の節目と、1回、20回、30回の節目と20世紀企画として発表した各回の羽子板を展示。これまで最も多く取り上げてきた「歴代スポーツ選手変わり羽子板」の展示では、羽子板が古くから「女の子の無事の成長を祈るお守り」とされることから、女性スポーツ選手を中心に「厳選した」という。
特別展示は1986(昭和61)年に製作した「ダイアナ妃」「松田聖子・神田正輝」「パンダ」のほか、「イチロー」「青島幸男・横山ノック」(以上1995年)、「アルベルト アインシュタイン」「ベーブ ルース」「ビル ゲイツ」(以上20世紀企画)、「ロボット・マンモス」「宮里藍・福原愛」「中村勘九郎」(以上2005年)、「甘利明」「高橋由伸」(以上2015年)、「ダイアナ元妃・ウイリアム王子・キャサリン妃・シャーロット王女」(30回記念)など。
同社の横山久俊専務は「特にパンダは珍しく、社員でもなかなか見る機会がない。過去30年の羽子板を見て、いろいろな時代があったんだなと振り返ってもらえたら」と話す。
浅草で開かれる「歳の市」の歴史は古く、1658年ごろに始まったとされる。「歳の市」とはその年の最後の市のことで、正月用品や縁起物の販売に羽子板が加わって以来、その華やかさから「押し絵羽子板」が主要商品となり、「羽子板市」と呼ぶようになったという。「押し絵羽子板」は桐の羽子板に、綿を布でくるみ立体的にした絵柄で装飾したもので、江戸時代には歌舞伎役者の舞台姿を写した羽子板が人気となり、その売れ行きは役者の人気のバロメーターとなっていた。
開催時間は9時~21時(最終日は20時30分まで)。今月19日まで。