若手革小物サンプル職人、蔵前で独立して1年-職人養成所開きの目標も

「PRO-MENER」代表の池田耕平さん

「PRO-MENER」代表の池田耕平さん

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 都営浅草線蔵前駅近くの革小物アトリエショップ「PRO-MENER(プロムネ)」(台東区蔵前4、TEL 03-5829-6857)が開業して1周年を迎えた。

「PRO-MENER」店内の様子

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 代表の池田耕平さんは、自身のブランドも持ちながらサンプル職人をメーンとして活動を続けている。革小物ブランドや職人の数は多く近年は若手も増えているが、池田さんのようにサンプル職人をメーンとしている人は少ないという。

 サンプル職人とは、ブランドやメーカーなどと打ち合わせから始まり、デザイン画などから図面を起こし、ものによっては数十個もの型を作り、同時にサンプルを作成するという、全ての工程をこなせなければできない専門職。革の端の処理の仕方にも数通りあり「職人にできること、できないこと、得意不得意があるので、そのメーカーが抱える職人に合わせてサンプル製作をする必要がある」と池田さん。

 池田さんが得意とする革小物のサンプル作りは、バッグや靴より細かく正確さが求められる。バッグの職人育成スクール「アトリエフォルマーレ」でバッグ作りを学んだ後、三和袋物に就職。サンプル職人として修業を積み昨年1月に独立。「量産品を自分で作るより、さまざまなブランドやメーカーのサンプルを作るのが楽しい」と池田さん。「自分には思いつかないようなデザインなど、毎回とても勉強になる」とも。

 今年で31歳になる池田さんは「もしかしたら日本一若い職人かも」と笑う。「これまで職人になるには10年の修業が必要といわれてきてきたが、才能があれば1、2年で一人前になれる。職人という希少価値を付けるためにメディアと組んで門を狭くしてきたせいで、今の職人は高齢者ばかりで40~50代の職人がとても少ないのが現状」と、ものづくりの現場に危機感を感じている。

 池田さんは5年後を目安に職人の養成所を開き、メーカーに送り出す仕組みをつくると意気込む。「多分、日本初の試みだが、必ずこういう場が必要になってくる日が来る」と言う。現在は定期的にペンケースやポーチを作るワークショップを開いており、「若い人たちにものづくりに興味を持ってもらい、この道に入ってもらえれば」と話す。

 営業時間は12時~18時。

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