都営浅草線蔵前駅近くのギャラリー・キッサ(台東区浅草橋3、TEL 03-5829-9268)で12月5日、届けられた願い事を絵と詩にした企画展「TOKYO WISHくん展」が始まった。
2005年のクリスマス企画がきっかけでスタートした同展は、「ちょっと未来の自分」に手紙を出すように願いを書きWISHくんポストに投函(とうかん)すると、絵描きのドン・カ・ジョンさんから、願いに合わせた絵が送り返されるというもの。兵庫県芦屋市の「a-space newnew」での初開催では30通ほどだった投函は、10年間で合計7000通ほどまでに広がり、今回初めての東京開催となった。
今年は東京タワーの高さにちなみ、333枚限定で願い事の募集をかけたところ、全部で358枚の願いが集まった。約1カ月をかけて絵と詩を描いたというドン・カ・ジョンさんは、郵便で送られることではがきに汚れがつき、「旅する時間が届くことが魅力」と話す。「コミュニケーションを取ることで無限にアイデアが湧く。見えない願いを絵や言葉にできるのは絵描きの魔法」とも。
亡くなったわが子や両親、大好きな人へのメッセージや将来の夢、憧れの生き方など、さまざまな願いが集まった同展。会場では原画の人気投票も行う。訪れた人の一人は「ほかの人が書いたWISHで、自分も共感できるものがいくつも見つかることに感動する。言葉と絵のおかげでメッセージが強く響く」と自分の願いを探す。
「縄跳びが飛べるようになりたい」と書いた子が、はがきが届いた日から飛べるようになったという話もあり、ドン・カ・ジョンさんは「絵がその人の人生で、一緒に生きてくれたらうれしい」と笑顔を見せる。
開催時間は12時~19時30分(日曜は17時まで)。月曜・火曜定休。入場無料。今月27日まで。