隅田川の浜町公園付近~桜橋で4月13日、恒例の「第83回 早慶(そうけい)レガッタ」が開催される。
早稲田大学と慶応義塾大学がボートレースで競い合う同大会は、1905(明治38)年に第1回が行われてから100年を超える歴史がある。オックスフォード大学対ケンブリッジ大学、ハーバード大学対イェール大学と並んで世界三大レガッタと呼ばれている。
毎回さまざまなドラマが展開される同大会。1957(昭和32)年は、双方のボートが浸水するほどの嵐の中で開催された。早稲田は「何としてもゴールする」と8人全員でこぐことを断念し、4人が浸水した水をわんでかき出しながら進んだ。一方の慶応は「何があってもオールを手から離さない」と、浸水しても全員でひたすらこぎ続けた。結果は、慶応のボートが沈没、早稲田はゴールを果たし、審判の判定で「早稲田の勝ち」となったが早稲田が勝利を辞退し、あらためて慶応に再試合を申し込んだ。しかし慶応も「審判の判定に従う」として早稲田の勝ちを認めたというエピソードがあり、「最後までそれぞれの信念を貫き、互いのチームへの敬意を忘れず尊重しあった素晴らしいスポーツマンシップ」であるとして、小学校の国語の教科書題材にもなった。
大会のメーンは「対校エイト」という8人のこぎ手と、コックスと呼ばれる舵手(だしゅ)1人が乗り込む競技で「ボートレースの花」といわれている。同大会はほかに、早慶の教職員や東大・一橋大学のOB、墨田区・台東区の中学生の招待競技など13レースが行われる。昨年の大会から、これまで3000メートルだった距離が3750メートルに延長され、「抜きつ抜かれつの意地のぶつかり合い」というレガッタ本来の魅力をより体感できるようになった。
開催時間は9時~16時。雨天決行。