浅草経済新聞がまとめた正月三が日の浅草中心部の人出は、主要施設や駅で前年と比べ大幅に減少したことが分かった。
新型コロナウイルス感染症拡大から初めて新年を迎えた、浅草寺や浅草神社を中心に元旦から3日間の人出を調査。第3波とみられる感染者増が昨年末から続き、参拝や観光を自粛した影響とみられる。
浅草寺寺務所よると参拝に訪れた人は約64万人で、昨年と比べ約78%減。約2万人が立ち寄っていたという浅草文化観光センターでも、約70%減った。
終夜運転を取りやめた鉄道各社・局の利用者も減少。昨年12月に開業60周年を迎えた都営浅草線浅草駅は、平均で30%の利用率にとどまり、元日に限ると約10万人が利用した昨年と比べ、今年は2万8000人程度だった。
東京メトロ銀座線の浅草駅は例年、1日で10~12万人が利用しているが、駅事務所の係員によると今年は3分の1程度だったとみられ、つくばエクスプレス浅草駅でも12月29日~1月3日で約60%減少した。浅草がターミナル駅の東武鉄道も12月31日~1月3日の定期外旅客輸送人員が路線全体で約46%減ったという。
交通規制を行った雷門周辺道路も、予定していた17時より前に解除。馬道通りは13時ころ、雷門通りも15時ころからそれぞれ車両が通れるようになった。
雷門周辺で観光人力車を展開する、えびす屋浅草店(台東区浅草1)の梶原浩介さんは「体感的には9割程度減っている」と話す。観光客減の影響で車夫も減っており、「分母が大きくあることで成り立つ業態。観光客が戻る環境が早く整ってほしい」と口にする。
今年4月ころの運用を見込んだ新しい取り組みを目指す動きも。同じく人力車を営む「人力車 壱」は地元企業と連携し、電動自転車を活用した観光ツールを共同開発。前2、後ろ1の三輪車で、前輪上に1人用の椅子を設置。客は自転車を操縦する車夫の説明を聞きながら、最前面の展望が楽しめるというもの。代表の綱田琢さんは「難しい状況でも止まっていられない。楽しめる観光を考えていきたい」と先を見据える。