浅草寺(台東区浅草1)で12月17日、「浅草寺歳(とし)の市 羽子板市」が始まった。
年末の恒例行事である同イベントは、五重塔前に約30の店が並び華やかな羽子板を披露している。
浅草の「歳の市」は江戸の中でも歴史は古く、1658(万治元)年ごろに始まったとされる。「歳の市」とはその年の最後の市のことで、正月用品や日用品の販売に羽子板が加わって以来、その華やかさから「押し絵羽子板」が主要商品となり、いつしか「羽子板市」と呼ばれるようになった。「押し絵羽子板」は桐でできた羽子板に、綿を布でくるみ立体的にした「押し絵」と呼ばれる絵柄で装飾したもの。江戸時代には歌舞伎役者の舞台姿を写した羽子板が人気を博し、その売れ行きが役者の人気のバロメーターとなっていた。
その年に話題になった人をデザインした、久月(柳橋1)の「変わり羽子板」の出展は今年で30回目。2015年の顔として選出した「オバマ大統領・ローマ法王」「甘利明大臣」「五郎丸歩選手」「高橋由伸監督」「松岡修造」「福山雅治・吹石一恵」「佳子内親王」「大村智教授・梶田隆章教授」の8組と、1986(昭和61)年に発表した「ダイアナ妃」のほか、スポーツ選手をピックアップした歴代の羽子板も展示している。
子どもが生まれて初めて迎える正月を初正月といい、この時に縁起物として女の子には羽子板を、男の子には破魔弓を贈る習慣があり、羽子板には「女の子の健やかな成長を願うお守り」として親しまれている。
開催時間は9時~21時(最終日は20時30分まで)。今月19日まで。