台東区観光課が1月22日、2019年度「スターの手型」被顕彰者に役所広司さんら5人を発表した。
大衆芸能の振興に貢献した芸能人の功績をたたえようと、台東区が1979(昭和54)年から始めたスターの手形設置事業。「大衆芸能ゆかりの地『浅草』のシンボル」としてこれまで、浅草公会堂前とオレンジ通り花壇上に、327人の手型とサインが収められた。
本年度は歌手で女優の五月みどりさん、歌舞伎俳優の五代目中村歌六さん、歌手の布施明さん、喜劇役者の三宅裕司さん、俳優の役所広司さんが選ばれた。
五月さんは1956(昭和31)年に浅草で初ステージに立つと、1958(昭和33)年コロムビアレコードから歌手デビュー。100枚を超えるシングルレコードをリリース。「男はつらいよ」、「釣りバカ日誌」シリーズの映画にも出演し、1989(平成元)年には「二科展」に初入選。翌年には「毎日書道展」にも入選するなど歌手、女優、画家、着物デザイナーとして第一線で活躍している。
中村さんは1981(昭和56)年6月に歌舞伎座「一條大蔵譚」の大蔵卿で五代目を襲名。2018(平成30)年には紫綬褒章を受章。屋号は播磨屋で現在は日本俳優協会監事を務めるほか、伝統歌舞伎保存会会員として活動する。
1965(昭和40)年に歌手デビューした布施さんは1975(昭和50)年、「シクラメンのかほり」で第17回日本レコード大賞、第6回日本歌謡大賞でそれぞれ大賞、第8回日本有線大賞でスター賞、FNS歌謡祭では年間グランプリ、最優秀歌唱賞、最優秀ヒット賞などを受賞し国民的歌手となった。今年5月に歌手生活55周年を迎える。
三宅さんは1979(昭和54)年に歌とダンス、アクション、笑いを融合した劇団「スーパー・エキセントリック・シアター」を結成。現在も毎年1万人以上を動員する国内でも数少ない老舗劇団を主宰し、座長として演出も務める。2006(平成18)年には東京喜劇の継承を目指し熱海五郎一座を座長として旗揚げ。2014(平成26)年に新橋演舞場に進出し、シリーズ公演として定着する。2003(平成15)年に日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。
1996(平成8)年に「Shall we ダンス?」「眠る男」「シャブ極道」で国内映画賞の主演男優賞を独占した役所さん。近年では2018(平成30)年、第42回日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞を受賞。昨年はアジア全域版のアカデミー賞とされる「第13回アジア・フィルム・アワード」で、特別賞 Excellence in Asian Cinema Awardと「孤狼の血」で主演男優賞をダブル受賞した。
顕彰式は3月14日に浅草公会堂で開催を予定。被顕彰者は合計332人となり、5人の手形は顕彰式前後に、同施設前を通るオレンジ通り花壇上に設置する。
スターの手型はこれまで、ビートたけしさんや永六輔さんといった浅草になじみある芸能人から、樹木希林さん、天海祐希さん、哀川翔さんなど幅広く選出されている。