都営浅草線蔵前駅近くにベルギーのフラワーベースやアウトドア家具を取り扱うショールーム「TISTOU(ティストゥー)」(台東区蔵前3、TEL 03-5829-4085)がオープンして2カ月がたつ。
店舗面積は300平方メートル。1階には、これまでの常識にとらわれない製法で作るテラコッタ(素焼き)製品を展開する「ドマーニ」と、古典的な吹きガラスの製法で作った製品を展開する「ヘンリーディーン」の2ブランドをメーンに展示・販売する。
両ブランドの商品は熟練の職人により1つ1つ手作りで作られているため、それぞれが個性的な特長を持つことで知られ、園芸愛好家やインテリア業界人から世界的な人気を集めているという。商品はリースもでき、直営ショールームならではのアウトレット品も販売する。
2階はベルギー北西部のアウトドア家具メーカー「エクストレミス」を展示するほか、イベント用にレンタルスペースにも対応する。ベルギービール「ヴェデット」のビアサーバーもあり、イベント時には生ビールも提供できる。「エクストレミス」の家具は野外だけではなく、大手IT企業の社食や銀行などにも使用されているという。
社長の平田倫子さんは、大学で園芸を学び、ベルギーの花店で3年間働いた後帰国。無一文で途方にくれていた1998(平成10)年、「日本の花屋は、花を安っぽいプラスチックのバケツや容器に花を入れている」ことに着目し、ヨーロッパから花器の仕入れを始めたという。
「輸入のことも、経営のことも、何も知らずに手ぶらで銀行へ融資を受けに駆け込んだ」という平田さん。「事業計画書を持ってくるよう言われ、原稿用紙に熱い思いを書いて渡したところ、銀行の担当者が感動してくれ、借り入れができた」と振り返る。約15年前、日本では一般的に知られていなかったブランドの商品をスーツケースに詰め込み、全国を営業で回ったという平田さん。今では海外メーカーからの信頼も厚く、家族ぐるみの付き合いをしているという。
平田さんは現在、3つのブランドのエージェント業務のほか、「シモジマ」の新業態店「east side tokyo」のプロデュースも行う。
浅草橋のビルを借りていたことや、展示会などで蔵前の人たちと交流があったことから「直営店を持つなら競合がいない蔵前」と決めていたという。「好きな人たちから買って、好きな人に卸している。蔵前を選んだのは、下町の人の暖かさや、人と人の距離が近いことも理由の1つ」とも。今後について、平田さんは「人が集まる場所にしたい。生活が楽しくなる手伝いができれば」と話す。
営業時間は、水曜・金曜=12時~18時(土曜は11時~)、月曜・火曜・水曜=商談のみ(予約制)。