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浅草・東洋館で全編英語のお笑いライブ「OWARAI ASAKUSA」

OWARAI ASAKUSAの演者の4人

OWARAI ASAKUSAの演者の4人

 全編英語のお笑いライブ「OWARAI ASAKUSA」が9月2日から、浅草フランス座演芸場東洋館(台東区浅草1)で開かれている。

「OWARAI ASAKUSA」の会場となる東洋館

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 主催は中京テレビ放送(名古屋市)。今年3月にシカゴのコメディー劇場「The Second City」で開いた日本の芸人による全編英語の公演の反響を受け、インバウンド向けに企画した。7月10日〜17日の8日間に続く2回目の開催で、今回は10日間連続で行う。出演は岩崎う大さん(かもめんたる)、上田航平さん、篠宮暁さん、星野光樹さん(Gパンパンダ)、忠犬立ハチ高さんらのほか、クロコップ、ザ・ギース、だーりんずなど。公演日によって顔ぶれが変わる。協力は浅草六区エリアマネジメント協会。

 シカゴ公演は、コント師8組12人が日本で披露してきたコントを英語に訳して演じたもので、全5公演のうち4公演のチケットが完売した。

 出演する篠宮さんは、英語をほぼ話せない状態から1年半ほど前に学び始めたという。英語のコーチングを1年間受け、「堪能ではないが、言いたいことは言えるくらいにはなった」と話す。ネタは英語公演のために書き下ろすのではなく、「日本語でやってウケていて、なおかつ海外の人が見ても分かるもの」を選んで英語に直しているという。

 当初は日本と海外で笑いどころが違うと考えていたが、3月のシカゴ公演で認識が変わった。篠宮さんは「意外と一緒だなと。日本でウケるものも外国人の人が笑ってくれる。多少ズレはあるが基本は一緒」と振り返り、「もちろん分かりやすくするのは大事だが、合わせに行かなくても通用するのではないか」と分析。客席の国籍が入り交じる浅草では「ムラがある」としつつ、「ここで笑いが欲しいなというところで取れることも増えてきた」と手応えを感じている。

 上田さんと星野さんは、中京テレビの企画に加わる前に、自分たちでシカゴ公演を実現させた経験を持つ。上田さんによると、スポンサーを自ら集めて現地の劇場に立ったが「これは継続できないな、お金がめっちゃかかる」と感じていたところに声がかかり、同じシカゴの劇場に再び立つことになったという。星野さんは「海外でお笑いをやれるのかとぼんやり考えたことはあったが、他のジャンルに比べてハードルが高いと聞いていた」と明かす。

 初回は英語の台本を覚えるところからだった。上田さんは星野さんと組んで5本ほどのネタを演じ、「しょっちゅう会って、しょっちゅう練習した。それでもお客さんの前に立つとせりふが飛ぶ。芸歴リセット、1年目という感じ」と振り返る。演じ方は日本での公演と変えなかった。「そんなに反応がなくてもしょうがないという気持ちだった。緊張もしていない、分からなすぎて、どこで誰に対して何をやっているんだと思ったくらい」と上田さん。それでも笑いが起き、「結構通じるんじゃないかというのが一発目だった」とも。「日本でウケたいところで海外のお客さんにもウケたということは、そこまでのストーリーも伝わっている。笑いになったということは届いているんだと、最初すごくうれしかった」と喜びを口にする。

 一方で、どのネタを演じるかの選別には時間をかける。星野さんは「そのシチュエーションが他の国にはないから伝わらない、ということはある」と説明する。ラブレターズがキングオブコントで披露したどんぐりのコントでは、どんぐりが外遊びの象徴として通じない地域があることから、事前にナレーションで日本の文化を説明する「ならす作業」を加えたという。日本での芸歴が長く米国のコメディーにも詳しいスタッフが選別に加わり、「その上で、みんな自分たちが面白いと思うものをやらせてもらっている」と言う。

 星野さんは、英語で演じることの利点も挙げる。「英語はいろんなバックグラウンドを持った人が使う言語になっているので、多少のなまりや、日本人の下手な部分もキャッチしてくれる素地がある」とし、「外国の方が日本語を覚えて日本でお笑いをやるより、英語を母語としない人が英語で頑張った時の英語圏の人の反応の方が優しいのではないか」と持論を語る。

 篠宮さんは、海外ではスタンダップコメディーが主流である一方、「スケッチコメディーと言われるいわゆるコントや、日本のリズム芸をやっている人は日本以外に極端に少ない。向こうの人もまだ見方が分かっていない」と指摘し、「でも面白いなというところに、すごい可能性を感じる」と期待する。海外のコメディーを100とすると日本のお笑いはどのくらいかと問うと、「未知数」と答えた。上田さんは、世界各地でスタンダップコメディーを行うコメディアンに取材した際、地域に合わせてネタを変えるか尋ねると「ローカライズして良くなったことがない」という答えが返ってきたと明かす。「寄せると、自分の本来の面白さから離れる。それをしないで大きな会場が埋まっている。コントでできたら面白い」と先を見据える。

 会場となる浅草について、星野さんは「あまり浅草になじみがなかった」というが、公演のために通ううちに「こんなに海外の方の割合が多いのかと驚いた」と感想も。呼び込みで海外の人に来てもらう難しさに触れ、「口コミサイトなどで『日本にはこういうお笑いを見られる場所がある』ということが根付いてきたら、先に知っている状態で東洋館でお笑いを見て浅草も観光して、という夜の過ごし方が1個見つかる。そこまで行けたら、すごいプロジェクトになる」と、期待は大きい。

 篠宮さんは、現状は「本当に帰ろうかなどうしようかなという時に、あ、ここなんだ、じゃあちょっと寄ろうかなというくらい」と推察。街頭でチラシを配って呼び込む方法について「すごくいいと思う反面、お笑いを見に来ているお客さんではない」とし、「この中から誰かが海外に出てスターになって、浅草寺を見に来て、そしてお笑いも見に来る。目的の一つとして成立するとすごくうれしい」と展望を明かす。

 開演は19時で、上演時間は約60分。料金は6,000円。チケットは、国内向けを「アソビュー」、海外向けを「GetYourGuide」で販売する。今月11日まで。