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浅草・老舗履物店が移転-観光客の往来多い日本駄右衛門像前に

辻屋本店4代目店主・富田里枝さん

辻屋本店4代目店主・富田里枝さん

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 浅草老舗履物店「辻屋本店」(台東区浅草1、TEL 03-3841-1171)が12月17日、新仲見世商店街から伝法院通りへ移転した。

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 同店は1912(大正元)年創業の老舗和装履物店で、創業より102年間、新仲見世通りで営業を続けてきた。移転先である伝法院通りの店先には、白浪(しらなみ)五人男の日本駄右衛門像があり、観光客が写真を撮るなどしてにぎわう。同店4代目店主の富田里枝さんは「観光客はみな日本駄右衛門に夢中で、なかなか履物を手にしてくれない」と笑う。「今後は普段着にげたというコーディネートなども外国人に楽しんでもえるよう工夫していきたい」とも。

 これまで「いかにも老舗」という敷居の高を感じさせる同店だったが、カジュアルな通りに移転したことを機に店舗デザインや陳列を一新し、明るくモダンな雰囲気に仕上げた。「もっとじっくりゆっくり商品を見てもらえるように」と、ゆとりある展示を心掛け、テーブル席も用意した。「浅草と和装をつなげる拠点になれば」と富田さん。

 伝統的な草履やげたから、真っ白にペイントされた台に沖縄のミンサー織りの鼻緒のげた、クロコダイルの草履など、現代風にアレンジされたものや、若手クリエーターとのコラボ商品など豊富に取りそろえる同店。「あさくさ和装塾」や、ファッションとアートの祭典「アサコレ」の理事を務めるなど、精力的に活動を続けている富田さんは「今後はもっとクリエーターたちとのコラボ商品を増やしていきたい」という。

 今後について富田さんは「これまでの方向性は変えず、技や素材を次の時代につないでいきながら新しい履物の可能性を追求していきたい」と意気込む。「浅草に来る楽しみになるような店にしたい」とも。

 営業時間は10時~19時。

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