浅草の20年後の将来像を示す「浅草未来図案~まちづくりビジョン~」の展示会が7月21日、台東区今戸のスペース「SNAP(スナップ)」(台東区今戸1)で始まった。主催は同スペースを運営するren(レン)で、台東区が協力する。
「浅草未来図案」は、20年後の浅草の将来像と、その実現に向けた取り組みの方向性を示すまちづくりビジョンで、台東区が策定した。目指す姿に「歴史がある、新しいまち浅草」を掲げ、歴史や伝統を大切にしながら新しいものを取り入れ続けることで、浅草らしさを保っていく考えを示す。2022年から、地域団体や鉄道事業者、学識経験者らから成る策定委員会や地域でのワークショップを重ね、数年かけてまとめた。同社は、この図案の編集・デザインを担った。
図案は、大きく3つの「まちづくりのコンセプト」と、それに基づく9つの「アプローチ」で構成する。3つのコンセプトは「快適性を磨き上げる」「人・まちを結わえる」「文化を際立たせる」。雷門から仲見世、浅草寺にかけての中央エリアで来街者を迎える環境を整えること、水辺の活用や東西のつながりを通じてまちの回遊性を高めること、浅草が育んできた歴史・文化を磨くことなどの方向性を示す。
renは、まちや人の「つながり」をデザインすることを掲げるブランディングデザインカンパニー。図案の編集・デザインに携わった同社は、「冊子を作って終わりにするのではなく、まちで活動する人たちが出会い、浅草の未来を語り合う場が必要」だと考え、自社スペースを使った展示会を企画した。
同社社長の山田裕一さんは「図案が『絵に描いた餅』で終わらないよう、まずビジョンを多くの人に知ってもらい、来場者同士をつなぐ場にしたい」と話す。数年かけて多くの関係者が議論した成果が広く知られないままになるのは避けたいという思いから、展示会の開催に至ったという。
会場では、来場者一人一人の写真を撮り、「街を動かす人たち」として会場のボードに貼っていく。山田さんは、「遠くから見れば以前と変わらないように見える浅草も、実際にまちを動かしているのは一人一人」だとして、来場者の姿を会場に残していく狙いを語る。
浅草の中央部だけでなく周辺地域にも人の流れを広げることは、図案が掲げる方向性の一つ。山田さんは、「店を営む人だけでなく、そこに暮らす住民も含め、浅草に関わる一人一人がまちづくりの担い手」として、周辺地域の人にも参画を呼びかける。
「街の人と行政、浅草に関わる企業が数年かけて議論して生まれた冊子が、人の目に触れずほこりをかぶるのは避けたい。ぜひ手に取ってもらい、ウェブでも見られることを広めてほしい」とも。
開催時間は11時~17時。入場無料。8月7日まで。