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浅草の老舗桐工芸「箱長」創業141年 桐木目込み細工を未来へつなぐ

箱長4代目、宮田健司さん

箱長4代目、宮田健司さん

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 東京メトロ銀座線田原町駅近く、老舗桐(きり)工芸「箱長(はこちょう)」(台東区寿1、TEL 03-3843-8731)が創業141年を迎えた。

二ツ引き出し

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 浅草オレンジ通り店(浅草1、TEL 03-3843-8719)と、浅草メトロ通り店(同、TEL 03-3843-8727)の2店舗を構える同社は、日本でもほかに類を見ない細工法「桐木目込み細工(きりきめこみざいく)」を施した桐工芸品を制作している。桐木目込み細工とは、桐の箪笥(たんす)や小引き出しなどに、鈴や瓢箪(ひょうたん)、とんぼ、扇などの縁起物の図案を描いたあと彫刻刀で彫り、和紙を裏打ちした着物地を木目込む技法で、桐製品を華やかに装飾する技術。

 4代目となる宮田健司さんは、2014年度台東区優秀技能者として表彰された。「使ってもらってこその桐工芸品であって、自己満足では終わりたくない」と、商品の露出機会や販売方法にも目を配る。オレンジ通り店では毎月ワークショップも開催しており、桐工芸や木目込み細工に親しむ機会を設けている。

 若手の育成にも力を入れる宮田さんは「本人のやりたいことを自由にやらせている。ピリピリした環境ではいいアイデアは出てこない。伸び伸びとそれぞれの力を発揮してほしい」と思いを口にする。職人で接客も対応する杉山さんは「伝統を引き継ぎながら新しいアイデアを積極的に取り入れる社風と、懐(ふところ)の深さを感じながら日々仕事をしている」と話す。「それぞれのオリジナリティーが表現された商品は、着物地の使い方やデザインによって誰の作品かがだいたい分かる」とも。

今年10月にはニューヨークで個展を予定する宮田さんは「まずは日本の伝統工芸を世界に知ってもらいたい。そして商品が何百年先までも世界中で使われるようになってほしい」と今後を見据える。

 営業時間は10時30分~19時30分(浅草メトロ通り店は18時まで)。

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