北欧スタイルの浅いりスペシャルティコーヒー店「KIELO COFFEE(キエロコーヒー)」の焙煎(ばいせん)所併設店「KIELO COFFEE ROASTERY(キエロ・コーヒー・ロースタリー)」(台東区浅草7)が待乳山聖天近くにオープンして、7月25日で1カ月がたつ。経営は「After THREE」。
同ブランドは2019年5月、社長の吉池弘樹さんが秋葉原に1号店を開いて創業した。現在は秋葉原店(台東1)と浅草店(雷門2、2025年8月開業)を展開し、同店がブランド3店舗目。銀座では姉妹ブランドの「X coffee(エックスコーヒー)」も手がける。
創業の原点は、吉池さんが大学時代に訪れたフィンランドでの体験にある。オーロラ鑑賞を目的に渡航したものの、初日に「オーロラは見られない」と判明。代わりに現地での出会いを通じ、室内で過ごす時間を彩るインテリアや照明のデザイン、ワークライフバランスを前向きに選ぶ生き方、日常に深く根付いたコーヒーブレークの文化に触れた。吉池さんは自社サイトで、「『to Do』を追い求めてきた学生時代の集大成の旅で、『to Be』の幸せを見いだす暮らし方を目の当たりにしたと振り返る。こうした文化を持つコーヒーショップを広めることを使命と感じて2年の準備期間を経て開業に至った」とつづっている。
店名の「KIELO」はフィンランド語でスズランを意味する。「再び幸せが訪れる」という花言葉を持つ同国の国花にちなみ、一杯のコーヒーから幸せを届けたいとの思いを込めた。
フィンランドは1人当たりのコーヒー消費量が世界最多水準として知られ、北欧では豆の個性を生かす浅いり(ライトロースト)が主流とされる。深いりの「黒くて苦い」コーヒーとは対照的に、果実のような香りと酸味、素材本来の甘さが特徴で、同ブランドも世界各地の農園から届くシングルオリジン豆を自家焙煎の浅いりで提供し、常時10種類ほどをそろえる。
同店にはオランダのメーカー「Giesen」の焙煎機を備え、同ブランドの焙煎拠点を兼ねる。客席は1階・2階に設け、北欧家具を配した。メニューは、豆を選べるハンドドリップコーヒー(900円)のほか、バナナブレッド(550円)などの焼き菓子を用意し、コーヒー豆の量り売りも行う。
吉池さんによると、同ブランドは「北欧スタイルとジャパンスタイルのミックス」をコアコンセプトに据える。内装は店舗ごとに表情を変えながらも、日本的な木の温かみと北欧のランプやタイルを組み合わせ、商品は北欧式の浅いり、接客は「高級旅館のような日本式の丁寧さ」で統一し、ブランド全体で一貫性を持たせているという。
経営面では、スタッフやその家族、取引先、地域を含めた「ステークホルダー」を大切にする姿勢を掲げる。カフェの集積地でもある浅草について、吉池さんは「近くに店ができることは客の奪い合いではなく、街全体の来訪者を増やすことにつながる」との考えを示し、「浅草のローカルの方にも利用していただきたいし、観光客の方のスポットにもなりたい。街のシンボルのようなブランドになりたい」と話す。今後は上野や押上も出店候補地に挙げ、店舗展開を進める考え。
営業時間は9時~17時(土曜・日曜は18時まで)。火曜・水曜定休。