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浅草の老舗どじょう専門店が創業113年 変わらぬ店と味を次代へ

どぜう飯田屋5代目、飯田唯之さん

どぜう飯田屋5代目、飯田唯之さん

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 つくばエクスプレス浅草駅近くのどじょう専門店「どぜう飯田屋」(台東区西浅草3、TEL 03-3843-0881)が創業113年を迎えた。

「どぜう飯田屋」の柳川鍋

 1902(明治35)年にどじょう専門店となり、慶応時代から続く同店。どじょう料理屋の多くが「どぜう」と表記しているが、これには諸説あり、江戸の大火で類焼した浅草のどじょう店が、縁起をかついで「どぢゃう」と表記したことに由来するともいわれている。同店の創業以来の家訓は「親父の仕事はタレをとることと下足番」で、客への心遣いは足元までという気配りが受け継がれている。4代目の「父」の背を見ながら店を支えるのが、次期5代目の飯田唯之さん。

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 注文が入ってから作るという「どぜう鍋」は、「骨の固さを調整し、骨の感触をわずかに残すことで心地よい歯ごたえ」になるという。ほかにも「ほねぬき鍋」と「柳川(やながわ)鍋」 があり、代々受け継がれる割り下と調理法は創業当時から変わらず守り続けている。「どじょうは鮮度が大事」という飯田さんは、「客が元気になるのが何よりうれしい。どじょうはもともと庶民の食べ物。古くからの味付けで『日本人の口に合ったほっとする味』をぜひ試してほしい」と笑顔を見せる。

 人気の「ぬた」は、おかみのみがレシピを受け継いでおり、マグロとウドをかんきつのみそであえたもの。「文豪・永井荷風(かふう)も柳川鍋とお銚子(ちょうし)と共に『ぬた』を楽しんだ」という。

 父でもある4代目を「いい師匠」と話す飯田さんは、トラブルが起きた時の力強さや違う視点から物事を見ているところに尊敬を抱く。「10年、20年と通う客がいる中、変わらない味や店の雰囲気を平成から次の時代に残したい」と話す。「自分1人でなく、皆がいてこそできること。海外の人に和食料理を伝え、楽しめる空間づくりがしたい」と今後を見据える。

 主なメニューは、どぜう鍋(1,550円)、ほねぬき鍋、柳川鍋(以上、1,650円)、どぜう汁(300円)、どぜう唐揚(880円)、どぜう南蛮漬(900円)、ぬた(950円)、生ビール(620円)など。

 営業時間は11時30分~21時30分。水曜定休。