浅草橋駅周辺の飲食店が集まる「第9回アサクサバシフードフェスティバル」が10月11日、銀杏岡(いちょうがおか)八幡神社(台東区浅草橋1)の境内と周辺道路で開かれる。
店舗に貼られた「アサクサバシフードフェスティバル」のポスター
主催は、浅草橋一丁目協和町会などから成る実行委員会。実行委員の千葉潤一さんによると、神社と町会の側から「飲食店が増えてきたので横のつながりが欲しい。まとめて何かイベントを開こう」と言われたのが発端だったという。同町会は柳橋1丁目と浅草橋1丁目の一部で構成し、人形や玩具の問屋街として知られてきたエリアだが、この10年ほどで飲食店が急増した。「町会としても、知らない人が増えるのであれば、そうしたイベントを通してつながりが持てるものを作ろうということから始まった」と千葉さんは振り返る。当時、神社の境内に飲食店がブースを構える例はなかったが、了解を得て第1回は境内だけで開いた。
初回に出店したのは千葉さんの知り合いの10店舗ほど。各店が用意したのは40~50食程度だったが、来場者は3000人ほどに上り、早々に品切れが相次いだ。回数を重ねる中で規模も拡大し、前回の第8回は22店舗が参加し、約1万食を販売した。現在は神社の境内に加え、閉鎖した道路や店舗を開放したスペースにフードコートを設け、来場者が複数の店をつまみながら飲み歩けるようにしている。持ち帰りに対応する店もある。
出店する側の手応えについて、千葉さんは「最初のうちはトントンのところが多かったが、今は利益が立っているところも多い」と話す一方、通常営業と異なる仕込みの負担から参加しづらい店も増えているとし、「一長一短だなと思いながらやっている」とも。それでも続ける理由に、「店同士のつながりが増えたこと」を挙げる。「店同士の横のつながりがすごくできた。打ち上げもするし、話し合いもきっちりする。飲食店同士の情報のネットワークにもなっている」と話す。浅草橋には商店街の組織がなく、町会を基盤にした運営がその受け皿になっている。
都営浅草線やJR総武線の沿線、台東区、千代田区、中央区、墨田区からの来場者が多いという。10月は雨の日が多く、ゲリラ豪雨の回もあったが、客足への影響は小さいといい、「常連の力、お客さまの力が本当にすごい」と千葉さん。各店の常連客が来場の土台をつくっている。
イベントの背景には、神社と祭りの文化を残したいという思いがある。千葉さんは近隣の須賀神社とも協力関係にあるとした上で、「自分たちが子どもの頃にやってもらったことが、今の子どもたちにできなくなってきている。それを何とか継続しようというのと、プラスアルファでまちのことを知ってもらいたい」と話す。
出店料はポスター制作費や宣伝広告費に充てており、実行委員側の取り分はない。「町会のイベントだし、これを利益目的でやっているのではない」と千葉さん。運営は昨年から後輩2人が中心を担い、千葉さんは相談役に回った。
今後については、20~25店で推移している参加店をもう少し増やしたい考え。道路を閉鎖できる範囲や近隣住民の理解といった制約があり、会場が飛び地になると回遊しづらくなるため範囲を絞ってきた経緯もある。「将来的には、神社の周りを全部グルッと一周したい」と話す。
イベントのキャッチフレーズは「『古い』と『新しい』がとけあう街、浅草橋を今楽しむ」。千葉さんが初回のときに考え、そのまま使い続けている。新しく浅草橋や蔵前に越してきた人に向けては「こんなところがあるんだ、こんな面白いところがあるんだ、こんな老舗があるんだ、と発見してもらえる場になれば」と来場を呼びかける。
開催時間は11時~17時。雨天決行。