浅草の街を舞台に、国内外のクリエーターや企業をつなぐプロジェクト「浅草クリエイティブ」の発足発表会が9月4日、開かれた。地域団体や商店会、企業、クリエーターら約60人が集まった。
プロジェクトは、浅草で飲食店3店舗を営む「浅草」(台東区浅草1)代表の雑賀重昭さんと、イベント企画制作会社「STARKクリエイティブオフィス」代表の西條智洋さんが中心となって立ち上げた。雑賀さんが浅草側の取りまとめを、西條さんが企画全体の責任者とクリエーティブ統括を担う。「浅草を、世界のクリエーターが集う場所へ。」をテーマに掲げ、街の文化に国内外のクリエーターや企業、テクノロジーをつなぎ、新しい表現や体験、イベントなどのプロジェクトを生み出すことを目指す。
雑賀さんは、インフルエンサーが街の魅力を発信する「浅草ジェニック」などに取り組んできた。「浅草には長い歴史、文化、たくさんの人や店舗、地域の魅力がある。一方で、これからの浅草をさらに盛り上げていくためには、新しい視点と発想、発信力が必要だと考えている」と話す。
掲げるのは「観光客が集まる浅草」から「才能が集まる浅草」へという転換。雑賀さんは「何が足りないということではなく、むしろすでにさまざまな文化が存在している街。『僕の浅草はこの色だよ』『浅草は赤い色だ』『青い色だ』と、いろんな人がいる中で、その点と点を結んで線にして、面という形で浅草全体を盛り上げていければ」と説明する。チーム自体はイベントを運営する組織ではなく、人と人、企業とクリエーター、地域と新しい才能がつながる土台をつくる位置付けだという。
西條さんは、交流会で雑賀さんと知り合ったことがきっかけと明かす。「浅草はすごくすてきな街だなという前提がある中で、逆に僕たちが浅草に何かしたいと思った時、どなたに話をしたらいいのか、どういうルートで街の皆さんに協力を仰げばいいのかが、客観的に見て分からない部分があった」と振り返り、「浅草でしている企画をより広げて、日本中、世界中の方に興味を持ってもらい、そこにまたクリエーターが集まる掛け算を目指したい」と話す。
今後のフラッグシップ企画として、街を舞台に年齢や国籍、肩書を越えて誰もが主役になれる「浅草ランウェイ」と、写真や映像で「今の浅草」を募る「浅草写真&映像コンテスト」の2企画を構想する。年内はパートナー構築に充て、来年1~3月にコラボレーション企画を始動、4~6月に規模を拡大し、7~9月に海外クリエーターやメディアとの連携に広げるロードマップを示した。2027年9月までにパートナー100、クリエーター300、プロジェクト10、年間総リーチ3000万を目標に据える。メインパートナーは現在調整中としている。
発表会には浅草おかみさん会理事長の冨永照子さんも出席し、雑賀さんへの期待を語った。冨永さんは、新仲見世や公会堂近くの通りで高級衣料などを扱っていた店が家賃の高騰とともに飲食店へ入れ替わってきた現状に触れ、「外国人が来てみんないいだろうと思ったら、ちょっと違う。それは認識を改めていただいて」と指摘。「もっと大変なのは後継者問題。すしや通りは20軒足らずでほとんどがテナント。次の世代への渡し方がとても大変」と話す。その上で「雑賀君たち若者が新しいことを企画してしていただく。私はインフルエンサーとかよく分からないけれど、面白いし大いに応援します」と語った。