慰霊と平和への祈りを込めた夏の行事「隅田川とうろう流し」が8月15日、吾妻橋付近の隅田川親水テラス(台東区花川戸)と対岸の墨田区側で開催され、約5000個の灯籠が川面を彩った。主催は台東区側が浅草観光連盟、墨田区側が墨田区と墨田区観光協会。
同行事は、関東大震災や東京大空襲などで隅田川で亡くなった人々の霊を弔うため、1946(昭和21)年の浅草復興祭で戦災殉難者・水難者の回向法要として始まった。高潮防止の防潮堤整備に伴い1965(昭和40)年を最後に中止。親水テラスの整備を受け、2005(平成17)年に浅草観光連盟が40年ぶりに復活させた。2018(平成30)年に墨田区と台東区が観光分野の連携協定を結んだことを記念し、2019年からは両区連携での開催が続いている。
近年はSNSを通じて川面を流れるともしびの映像が国内外で話題となり、海外からの参加者が増加。祖先の供養のほか、紛争終結や災害復興への願いを手書きし、自分の手で流せることが人気を集めているという。
今年は、灯籠を流す人の待ち時間を減らす試みとして流灯台を増設し、設置場所を東武鉄橋付近と言問橋付近の2カ所に拡大。灯籠の組み立てやろうそくの点火を手伝うボランティアも、留学生を含む多言語対応の100人態勢に増員して臨んだ。灯籠は当日の会場販売のほか、混雑緩和のため松屋浅草(花川戸1)と浅草文化観光センター(雷門2)の2カ所と、インターネットでも事前販売された。
当日の会場では、訪日外国人と日本人の観光客がスマートフォンを手に灯籠の動画を撮影している姿が多く見られた。