クラフトコーラ専門店「伊良(いよし)コーラ浅草観音前店」(台東区浅草2)が8月1日、浅草寺門前にオープンした。経営は伊良コーラ(新宿区)。同店は浅草エリア2店舗目となる直営店で、昨年6月にオープンした浅草六区店に続き、直営店としては5店舗目となる。
同社社長のコーラ小林さんが伊良コーラを開発したのは2018(平成30)年。和漢方職人だった祖父の技術を生かし、天然素材で作るクラフトコーラを完成させた。移動販売車「カワセミ号」での販売で始まり、下落合の総本店、渋谷神宮前店、浅草六区店と店舗を広げ、今年4月には「伊良コーラ中野五丁目店」をオープンしている。
小林さんはかねて、浅草の中心部の西と東に1店舗ずつ構えたいという構想を持っていたという。西側の浅草六区店の開店後も東側で物件を探し続けており、今回の物件は「即決だった」と振り返る。
背景には、同じ浅草でも西と東では街のカルチャーが全く違うという小林さんの見立てがある。浅草六区は明治から昭和にかけて、現在の新宿や渋谷のような繁華街として栄えた「ニュークラシック」の街であるのに対し、浅草寺周辺の東側は「オールドクラシック」の浅草だといい、「同じ浅草エリアだが、全然違う街。そこの面白さがある」と話す。
店構えについては当初、街になじむような控えめなものを考えていたという。しかし三社祭に参加してみこしを担いだ際、浅草が「ハレの街」であることを実感。つつましく出すよりも堂々と構える方がこの街に合うと考え、方針を転換した。
象徴となるのが店頭の看板。浅草の老舗看板店と共にケヤキの材を選び、手彫りで製作した。窓枠にも木製のサッシを採用するなど、「時を経るほど味わいが増す」ことを前提に店作りを進めたという。
小林さんが掲げるのは「300年続く店」。店舗単体で300年の存続を目指して作ったのは今回が初めてで、「この場所は300年前も同じように栄えていた。だから300年後も栄えているはず」と理由を語る。看板店に300年の構想を伝えたところ、看板店は500年のスケールで物事を考えていたといい、「伝統の中で仕事をする人の時間感覚は学びだった」と振り返る。
店の広さは浅草六区店とほぼ同じ。店頭では、その場で楽しめるクラフトコーラのドリンクのほか、炭酸で割って楽しむ「魔法のシロップ」などの物販も行う。
小林さんは、カワセミ号時代から続くブランドの在り方を「唯一無二の小さな宝石」に例え、その輝きを保ったまま広げていきたいと話す。「目的は、わくわくするもの、面白いことを提供すること。それをやっているだけ」とも話し、今後も変わらぬ姿勢を貫く構えを見せる。
営業時間は13時~18時。